受精はどのように行われるの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は受精のプロセスに関するQ&Aです。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
受精はどのように行われるの?
精子が卵子と出合うまでに要する時間は、射精後、30分から1時間です。精子は1分間に3mm程度のスピードで懸命に移動します。
卵子が卵管に放出されると、特有の化学物質が分泌されて精子を引き寄せると考えられています。この時、精子の数は200個にまで減っていますが、それでもたった1個の卵子と比べれば大群です。これらの精子は、卵子を見つけるといっせいに先端を破裂させ、卵子の膜を破壊する酵素を放出します。
やがて卵子の膜の一部が破壊されるとともに、幸運な1個の精子だけが、するりと卵子の中に滑り込みます。ここの段階に至れば、ほかの精子が入り込む隙はありません。ここで受精が成立します。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版