受精はどのように行われるの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は受精のプロセスに関するQ&Aです。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
受精はどのように行われるの?
精子が卵子と出合うまでに要する時間は、射精後、30分から1時間です。精子は1分間に約3mmの速度で移動します。
卵子が卵管に放出されると、特有の化学物質が分泌されて精子を引き寄せます。このとき、精子の数は200個にまで減っていますが、それでもたった1個の卵子と比べれば大群です。これらの精子は、卵子を見つけるといっせいに先端を破裂させ、卵子の膜を破壊する酵素を放出します。
やがて卵子の膜の一部が破壊されるとともに、1個の精子だけが、するりと卵子の中に滑り込みます。ここの段階に至れば、ほかの精子が入り込むことはありません。ここで受精が成立します。
※編集部注※
当記事は、2018年8月13日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版』 (監修)山田幸宏/2023年8月刊行/ サイオ出版