神経はどのように情報を伝えるの?

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は「神経系の伝達」に関するQ&Aです。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

神経はどのように情報を伝えるの?

外界からの情報や刺激、外界へ働きかけるための中枢からの指令など、すべての情報は電気信号になって神経線維(軸索)を伝導します。

 

今、ある感覚器が外界から情報(刺激)を受け取ったとします。するとその刺激は軸索に電位の変化をもたらします。

 

すなわち、静止状態(刺激のない状態)では神経線維のなかはマイナス(静止電位)になっていますが、刺激が加えられると軸索の膜の透過性が変化し、軸索の周囲のNa+が内部に流入し、その部分だけプラスになってしまいます(活動電位が生じた)といいます。このプラスの電位が神経線維のなかを高速で中枢に向かって伝導します。

 

伝達の途中でシナプスに行き着くと、その線維の終端から相手の線維の始端めがけ、神経伝達物質(アセチルコリン、アドレナリン、ノルアドレナリンなど)が放出されます(図1)。

 

図1神経細胞(ニューロン)とシナプス

神経細胞(ニューロン)とシナプス

 

これが相手の線維の始端にある受容体に受け取られると、それが刺激となって電気信号が発生します。再び高速で、中枢に向かってプラス電位が進んでいきます。このようにして情報は中枢にたどり着きます。

 

中枢から出る指令も方向だけは逆向きですが全く同じ方法で伝導していきます。

 

MEMOシナプス

神経情報伝達のための接触構造です。

 

※編集部注※

当記事は、2017年12月25日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。

 

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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版

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