右脳と左脳はどう違うの?

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は「右脳と左脳」に関するQ&Aです。

 

[前回]

脳の中枢が傷つくとどうなるの?

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

右脳と左脳はどう違うの?

は左右対称の臓器ですが、機能的には左右でかなり異なります。

 

左脳は、言語、計算、理論など論理的、概念的な思考を行い、右脳は音楽、幾何学、発想など芸術的な分野に関連しています(図1)。言語中枢があるほうの脳を優位半球(ゆういはんきゅう)といいます。

 

図1左右大脳半球の機能

左右大脳半球の機能

 

運動機能の中枢は左脳にも右脳にもあります。左脳は右半身の運動機能を、右脳は左半身の運動機能をつかさどっています。このような左右の交叉は、視覚、触覚、痛覚でも同様にあります。理由は、これらの神経が延髄で反対側に交叉しているためで、これを錐体交叉(すいたいこうさ)といいます。

 

出血脳梗塞などの脳血管障害では、出血や梗塞によって損傷された脳と反対側に、麻痺やしびれなどが現れますが、それは錐体交叉があるためです。

 

MEMO脳血管障害(Stroke)

脳の循環系が障害されることにより、意識障害と精神系脱落症状が起きることです。脳卒中ともいいます。脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などがあります。

MEMOくも膜下出血(SAH、ザー)

軟膜とくも膜との間にあるくも膜下腔には、脳に酸素と栄養を送る太い動脈が張り巡らされています(「脳はどうやって守られているの?」参照)。この動脈にできた動脈瘤が破裂することで出血した状態をくも膜下出血といいます。

 

※編集部注※

当記事は、2017年11月6日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。

 

[次回]

脳波って何?

 

⇒〔解剖生理Q&A一覧〕を見る

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版

SNSシェア

看護ケアトップへ