小腸は消化と吸収のどちらを行っているの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
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今回は「小腸の働き」に関するQ&Aです。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
小腸は消化と吸収のどちらを行っているの?
小腸は消化と吸収の両方を行います。
直径約2cm、長さ約7mの小腸は、消化活動の主役であり、同時に栄養素を吸収します。
多くの食物は、4~8時間かけて小腸から大腸へと運ばれていく間に、消化の仕上げが行われます。
そして、タンパク質はアミノ酸に、糖質はグルコース、ガラクトース、フルクトース(果糖)などの単糖に、脂肪はグリセロール、脂肪酸、コレステロールなどに分解され、小腸壁から吸収されます。
小腸の表面の粘膜には輪状になったヒダがあり、一面に絨毛(じゅうもう)が生えています(図1)。絨毛構造は1mm2に約30個あり、絨毛はさらに微絨毛でおおわれています。こうして、小腸内の実質的な表面積は約200m2と広大になります。
図1小腸の構造
これらの絨毛の中には網状に毛細血管が走行し、消化された物質のうち、アミノ酸とグルコースが吸収されます。アミノ酸とグルコースは門脈を経て肝臓に入り、合成や貯蔵に使われます。
グリセロールや脂肪酸は絨毛中の毛細リンパ管に吸収され、最終的に静脈に運ばれます。
※編集部注※
当記事は、2016年9月29日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版