膵液の中和作用は何のため?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
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今回は「膵液の中和作用」に関するQ&Aです。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
膵液の中和作用は何のため?
膵液にはHCO3-、Cl-、Na+、K+などの電解質が含まれ、膵液を弱アルカリ性に保っているのはHCO3-です。
胃から十二指腸に入ってきたばかりの内容物は、強い胃酸のために酸性を示します。膵液はなぜ、これらの内容物を中和するのでしょう。
それは、小腸の消化に関係する消化酵素が、いずれも弱アルカリ性の環境でよく働くからです。内容物が酸性のままでは消化酵素の働きが鈍るため、膵液によって中和するのです。
※編集部注※
当記事は、2016年9月22日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版