血液を調べると肝機能が分かるのはなぜ?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は血液と肝機能に関するQ&Aです。
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山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
血液を調べると肝機能が分かるのはなぜ?
肝臓は生体の化学工場といわれるように、さまざまな化学反応を行っています。そのため、肝機能が低下すると化学反応の結果に変化が現れ、血液中の物質量にも変化が生じます。
たとえば肝細胞が障害されると、肝細胞内に含まれる酵素であるAST、ALTが血中に流れ出します。同様に、肝細胞が障害されると、血液中のLDH、アルカリフォスファターゼ、γGTPなどが増加します。
肝障害を起こすと、アルブミンがつくられなくなるためアルブミン値が低下し、コレステロールが合成できなくなるためコレステロール値が低下します。また、血液凝固因子が合成されなくり、凝固能が低下して出血傾向がみられるなどの変化が現れます。
※編集部注※
当記事は、2017年1月9日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版