浣腸液の温度を40℃程度にするのはなぜ?
『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は浣腸液の温度に関するQ&Aです。
江口正信
公立福生病院診療部部長
浣腸液の温度を40℃程度にするのはなぜ?
腸壁を軽度に刺激して、適度の蠕動運動を起こさせ、しかも自覚的に気持ちのよい温度であるためです。
〈目次〉
浣腸液の温度が決まっているのは
直腸温は口腔温・腋窩温よりは高く、普通37.5~38℃くらいです。浣腸液の温度はこれよりも高くても、低くても、ともに腸粘膜を刺激します。
一般に温度が高いものは腸粘膜への刺激が強すぎるため、炎症を起こして危険です。また、温度が低いものは腸壁の毛細血管が収縮して血圧を上昇させたり、腸痙攣になる可能性もあります。
好ましい浣腸液の温度は
直腸温よりやや高め(40℃前後)の温熱刺激が最も腸粘膜を適度に刺激し、浣腸の目的である蠕動運動を促進させます。
また患者にとっても、浣腸の際、自覚的に気持ちのよいのは、直腸温よりやや高めの温度です。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版