体温の測定部位によって温度差があるのはなぜ?
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『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は体温の測定部位による温度差に関するQ&Aです。
江口正信
公立福生病院診療部部長
体温の測定部位によって温度差があるのはなぜ?
測定部位によって熱の産生や放熱の程度が異なるためです。
〈目次〉
最も低いのは腋窩温。その理由は
最もよく用いられている腋窩温の測定では、熱の産生が低く、反対に放熱作用の強い皮膚温を測定するので、直腸温や口腔温、鼓膜温に比べて最も低い温度が測定されます。
測定部位による体温の差異は次のとおりです。
体温の測定方法の注意点は
腋窩温測定では、上腕二頭筋と大胸筋を密着させ、腋窩をぴったり閉じた状態にする必要があります。放熱による測定値の低下を防ぎ、真の体内温度に近い値1を得るためです。
口腔温測定では、呼吸気あるいは唾液の放熱作用によって測定値の低下をきたすことがあるので、舌下に体温計を挿入したら、口を閉じてもらい測定します。
鼓膜温測定では、耳介を引っ張り、外耳道が直線になるようにしながら、プローブをゆっくりと挿入します。外気温の影響を受けにくく、深部体温(中枢温度)の測定ができるといわれていますが、耳に挿入する向きや深さなどの手技により誤差を生じる場合があります。
直腸温測定では、放熱しにくいため、最も体内温に近い測定値を得ることができます。したがって、腋窩温や口腔温に比べ高い値となります。
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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版