看護師の病院見学でオススメの質問例とチェックポイントを働いている看護師患者さん設備・体制にわけて紹介します。

目次

【働いている看護師】についての質問

ナースステーションで仕事をしている看護師3名のイラスト

どんな看護師が働いている?

オススメの質問例の画像

  • 私と同年代の方はどのくらいいらっしゃいますか?
  • こちらの病院に勤めて何年くらいの看護師さんが多いですか?
  • 新卒さんは毎年、何人くらい入られますか?

キャリアアドバイザー

働いている看護師の年代・勤続年数などについて質問することで、勤務環境を推測することができます。

護師の年齢構成のバランスがよく、平均勤続年数が長めで安定している職場は、人材が定着する働きやすい環境と言えるでしょう。

一方、平均年齢が極端に低い・高い場合や、勤続年数が短めの人が多い場合は、もしかすると中堅のナースが少ないなどの可能性が考えられます。

また、新卒ナースが毎年どのくらい入職するかは、教育・指導の体制や負担を推測する材料になるでしょう。

看護のスタイルや働き方は?

オススメの質問例の画像

  • こちらでは、どんな看護方式をとられていますか?
  • お子さんがいらっしゃる方は、どんな働き方をなさっていますか?

キャリアアドバイザー

看護方式や働き方に関する質問をすると、実際に働いたときのイメージがわきやすくなります。

代表的な看護方式は、

  • チームナーシング:チーム単位で患者さんをケアする
  • モジュールナーシング:チームよりも少ない数人単位の看護師で患者さんを受け持つ
  • プライマリーナーシング:1人の看護師が1人の患者さんの入院から退院まで一貫して受け持つ

などです。自分に合う看護方式かどうかを確認しましょう。

また、ママナースの働き方を聞いてみるのも良いでしょう

今は子どもがいなくても、お互いにフォローし合う雰囲気・体制があるかの参考になります。面接ではしづらい質問ですが、見学中であれば聞きやすい場面がありそうです。

ただし、こうした質問を熱心にしすぎて「仕事への意欲が低いのかな」とマイナスの印象を持たれないように注意しましょう。

待遇や人間関係の質問はNG?

病院見学で給料や残業、休暇など待遇に関すること人間関係について質問するのは、おすすめできません。

病院見学では、見学者も「この人を採用したいか」という視点で見られています。

どうしても聞きたいときは、見学の終盤で1~2点、質問する程度に抑えるのがよいでしょう。

また、「残業はどのくらいですか」「給料はいくらですか」などの直接的すぎる表現は控え、オブラートに包んだ聞き方をします

(例)

  • 日勤(夜勤)の方は、何時くらいにお帰りになっていますか?
  • 私くらいの年齢や経験ですと、こちらの病院での平均年収はどのくらいのイメージでしょうか?
  • 1カ月の夜勤回数はどのくらいでしょうか?

目で見るポイント|働いている看護師

病院見学では説明を聞いたり質問したりするだけでなく、自分の目で確認することも大切です。

【目で見る!チェックポイント】働いている看護師

1何歳くらいの看護師が多い?

各年代がバランスよくいるか、中堅クラスがしっかり配置されているか。

2どんな表情、会話をしている?笑顔はある?

ナース同士のコミュニケーションが円滑で人間関係が良好か。忙しすぎて余裕のない雰囲気はないか。

3見学者に感じよく対応してくれる?すれ違うときに挨拶してくれる?

人を大切にする職場風土か。見学者が来ることがきちんと情報共有されているか。

4看護師が常に病棟内をバタバタ動き回っていない?

人手が足りているか、どの程度の忙しさか。

【患者さん】についての質問

どんな患者さんがいるのか想像している看護師のイラスト

どんな患者さんが多い?

オススメの質問例の画像

  • どんな疾患、状態の患者さんが多くいらっしゃいますか?
  • 入院患者さんの自立度は、どのくらいの方が多いでしょうか?

キャリアアドバイザー

患者さんに多い年代や疾患、自立度などを質問しておくと、どんなケアや処置が多いかが想像できます。

必要な知識やスキル、ケアの密度など、自分の希望・経験に合っているかを確認しましょう。

入退院の状況、ベッドの稼働状況は?

オススメの質問例の画像

  • 1日の入退院数はどのくらいですか?
  • 患者さんの平均入院日数は何日ですか?
  • ベッドの稼働状況はどのくらいでしょうか?

キャリアアドバイザー

入退院の状況やベッドの稼働率についての質問は、実際にこの病棟で働いたときの忙しさをイメージするのに役立ちます。

ベッドの稼働率に関するデータがきちんと把握されているかどうかは、病棟のマネジメントがうまくいっているかどうかの目安にもなる質問です。

目で見るポイント|患者さん

病院見学では説明を聞いたり質問したりするだけでなく、自分の目で確認することも大切です。

【目で見る!チェックポイント】患者さん

1患者さんは居心地よさそうにしている? 身の回りは清潔?

どんな看護、ケアをしているか。人手が足りているか。

2掲示板などにある患者さん・ご家族の声は?病院側の回答は?

患者さん・ご家族にどう評価されているのか、病院側の考え方や対応力はどうか。

3ナースステーションのホワイトボードには?

受け持ち人数、検査や手術出しの数、緊急入院の受け入れなど、1日の仕事量はどうか。

【設備・体制】についての質問

カルテは紙?電子?物品整理はどうなってる?勉強会はあるの?

どんな設備?ハード面は?

オススメの質問例の画像

  • 電子カルテは導入なさっていますか?紙カルテと併用されていますか?
  • 看護記録は、どのような形で付けてらっしゃるんでしょうか?
  • 院内保育所を利用している看護師さんは多いですか?

キャリアアドバイザー

カルテの種類は、毎日の業務負担に大きく影響するので、必ず質問・確認したい項目です。

電子カルテを導入していても、実際は紙と併用しているケースもあるので注意しましょう。

最近では、院内保育所を設ける病院も増えてきました。

保育スタッフや利用料金、施設の広さなどはマチマチなので、実際にどの程度利用されているかがサービスの充実度を知る参考になるでしょう。

研修やキャリア教育、院内勉強会は?

オススメの質問例の画像

  • いずれ○○を学びたいと思っているのですが、外部の研修会などへの参加は可能でしょうか?
  • 私と同年代の看護師さんは、何か院内の委員会に入ってらっしゃいますか?
  • 院内勉強会はどんなものがありますか?開催頻度はどのくらいでしょうか?

キャリアアドバイザー

教育に対する考え方やサポートなど、人材育成に力を入れている病院か、希望するスキルアップ・キャリアアップが叶うかの目安になります。

「研修参加は出張扱いにしていますよ」「休日を使って研修に行く人が多いです」などの回答から、院外研修に参加する場合の自己負担の有無や勤務の扱いもうかがえるでしょう。

一方で、「所属する委員会や院内勉強会が多すぎて休日がつぶれちゃうのでは…」という点も気になるところ。

自分と同じような看護師さんの状況を尋ねてみると良いでしょう。

目で見るポイント|設備・体制

病院見学では説明を聞いたり質問したりするだけでなく、自分の目で確認することも大切です。

【目で見る!チェックポイント】設備・体制

1病棟の清潔感はある?物品はきちんと整理整頓されている?

感染管理の体制がしっかりしているか、リスクマネジメントが行われているか、スタッフの指揮系統が機能しているか。

2電動ベッドは導入されている?

患者さんの移乗業務の負担が軽減されるか。

3廊下の幅は?ナースステーションやトイレの位置は?

古い病院などでは業務動線が悪い場合も。ストレスなく動けるか、廊下に荷物が置きっぱなしになっていないか。

病院見学で質問するのは「ホームページ等に書かれていないこと」

病院見学では、病院のホームページなどを調べればわかることを質問するのではなく、「さらに詳しく知るための質問」に絞るのがベターです。

すでに公開されている施設情報や各種データ、基本的な勤務条件などをいくつも質問すると、「見学に来るのに、ちゃんと調べてきていない」「うちの病院に入職する意欲が低いのでは」と、マイナスの印象を与えかねません。

また、病院見学の時間の中で質問できる数も限られます。

病院見学に行く際は、病院のホームページやパンフレットなどをよく調べておきましょう。

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