給料・転職のポイントも紹介 看護師でも「土日休み」で働ける職場7選
「土日休みの家族と予定を合わせたい」「一般企業に勤める恋人や友人と休みを合わせたい」といった理由から、土日休みの職場で働きたいと考える看護師さんは少なくありません。
看護師が働ける土日休みの職場には、どのようなところがあるのでしょうか? 転職の難易度や給料などもあわせて解説します。
目次
看護師が土日休みで働ける職場ってある?
看護師でも、病棟以外であれば、土日休みで働ける職場はいくつかあります。
ただし、土日休みといっても会社員のように「土曜と日曜どちらも終日休み」という職場は限られます。実際には「土曜は隔週で休み」「日曜と月曜が固定休」などの働き方になることが多いでしょう。
ここでは、看護師が土日休みや、日曜・祝日休みで働ける7つの職場を紹介していきます。
クリニック
科目ごとに外来診療を行うクリニックは、日曜・祝日+決まった曜日が休みの職場が多いのが特徴です。土曜の診療は午前中だけというクリニックも多いでしょう。
ただし中には、会社帰りの患者さんのために遅くまで診療しているクリニックや、残業時間が多いところも。そのような職場では、子どものお迎えや下校時間に合わせて早く帰ることが難しい場合があります。
またGW、お盆、年末年始などの大型連休はカレンダー通りに連休となることが多い一方で、規模が小さくスタッフ数が少ないため、有給休暇や急な休みは取りにくい傾向があります。
転職の難易度は?
クリニックは欠員補充での募集が多いため、求人数は少なめです。また、臨床経験のある即戦力が求められる傾向があります。
加えて、職場の人数が少ない分、良好な人間関係を築けるよう、コミュニケーション能力や協調性が必要になるでしょう。
訪問診療クリニックなら土日休みも叶いやすい!
在宅医療のニーズの高まりから、都心を中心に求人が増えている「訪問診療クリニック」は、土日休みの希望を叶えやすい職場のひとつ。
診療日は「月曜~金曜」のところが多く、土日+祝日休みが基本。職場によっては「月曜~土曜」ですが、日曜・祝日休みは叶えられます。
訪問看護とは異なり、訪問診療では患者さんの自宅や介護施設に医師と同行し、診察や治療のサポートや、患者さん・ご家族のケアを行います。「在宅医療に興味があるけど、看護師1人でのケアはハードルが高い」と感じている人にも人気の職場です。
美容クリニックは土日休みは難しい
都市部を中心に求人が増え、人気のある「美容クリニック」ですが、休日に来院する方が多いため、土日・祝日に休めるところはかなり少ないでしょう。
中には日曜・祝日+決まった曜日が休みの職場もありますが、そもそも固定休がなく「完全シフト勤務」のところや、水曜・木曜など「平日が休診日で固定休」のところがほとんどです。
さらには、世間一般で大型連休と言われるGW、お盆、年末年始は繁忙期になるため、その時期に連休を取ることは難しいでしょう。
訪問看護
訪問看護も、土日+祝日休みが基本です。ただし在宅医療の需要が増していることもあり、土曜勤務のある訪問看護ステーションも増えてきています。
職場によっては月2回程度土曜に出勤し、他の曜日で休みをとるといった働き方になるケースもあります。
また、利用者さんの急変に備えて月4~8回程度、オンコール体制を取っているところが多いので、転職を考える場合は事前に確認しておくと安心です。
転職の難易度は?
訪問看護ステーションの数は、都市部を中心に全国的に増えているため、求人数は多めです。
「一定以上の臨床経験が必要」というイメージが強い訪問看護ですが、首都圏を中心に新卒採用を行うステーションは増えていて、求められるスキルや経験のハードルが下がってきています。
デイサービス(通所介護)
日帰り(通所型)の介護サービスであるデイサービスは、土日+祝日休みの施設が多く、週末の休みが取りやすいのが特徴です。
また、家庭の事情で長時間の勤務は難しい人でも「午前中だけ」「週3日だけ」など、比較的柔軟な勤務スタイルで働くことができます。
転職の難易度は?
デイサービスの求人は介護施設の中では少なめですが、常勤の正職員だけではなく、パート・アルバイトの求人が多いのが特徴です。
その一方で、給料が比較的低い点には要注意。夜勤がなく医療的なニーズが低い分、看護師としての経験が重視されにくいことなどが影響しています。
保育園
保育園は、看護師が働ける土日・祝日休みとして代表的な職場。民間企業と同様に土日+祝日休みが基本です。
ただし、運動会などの保護者が参加するようなイベントで、年に数回だけ休日出勤の可能性があります。
転職の難易度は?
保育園への看護師配置を推奨・義務化している都内を中心に求人が増えてきている一方、地方エリアでは求人自体がほとんどないのが実態です。
必須ではありませんが、小児科の経験がある方や子育て経験のある方は、優遇されることもあるようです。
手術室
手術室も比較的土日休みで働きやすい職場です。平日は予定手術、土曜は緊急手術のみで日曜・祝日は固定休というスケジュールになっている病院が多いのが特徴です。
オンコール体制を取っている職場が多いため、夜間や土日に呼び出しが発生することもありますが、比較的他職種の友人との予定を合わせやすく、プライベートを充実させやすい職場といえるでしょう。
転職の難易度は?
手術室は基本的に欠員募集で、求人数は多くありません。また、オペの介助というやや専門的な業務内容ということもあり、経験者が優遇されるケースが多いでしょう。
ただし、手術看護師が多く教育体制の整った規模が大きい病院であれば、未経験者でも応募できる場合があります。
病院の外来
病院の外来は毎日多くの患者さんが来院する場所ですが、日曜・祝日休みが多いのが特徴です。土曜は診療があっても午前中のみ、もしくは隔週というところが多いようです。
診察の終了時間が比較的早く、残業も少ないため、子育てなどで時間に制限のある方には魅力的な職場です。
転職の難易度は?
病院の外来は病棟からの異動が多く、募集も欠員補充がメインで求人数は少なめです。
即戦力が求められる傾向ですが、看護師が多くサポート体制が整った病院であれば、臨床経験が浅い場合でも応募できることがあります。
健診センター
健康診断を行う健診センターは、企業の会社員や自治体の職員を対象にしているので、基本的には土日+祝日休み。年末年始やお盆休み、ゴールデンウィークなどの大型連休もカレンダー通りです。
多い日では1日で100人もの健診を行うこともありますが、1日の検査人数が決まっていることがほとんど。残業も基本的にはないため、ワークライフバランスを整えたい方、ルーティンワークが合っているという方向きの職場です。
転職の難易度は?
健診センターは人気が高く、基本的に欠員募集のため、求人数はごくわずか。派遣でまかなわれていることも多いでしょう。
また、「翼状針ではなく直針のスキルが欲しい」などと細かな応募条件があったり、接遇スキルを求められたりすることもあるため、転職が比較的難しい職場と言えます。
土日・祝日休みの看護師には、産業看護師や養護教諭といった働き方もありますが、募集枠も限られているため、かなりの狭き門です。
産業看護師は、近年は人件費の観点から、医療機関に外部委託している企業も多く、求人もほとんどないのが現状です。
養護教諭は、養護教諭免許を取得した後、教員採用試験に合格する必要がありますが、その倍率は7倍前後(公立学校の場合)となっています。
土日休みだと働き方・給料はどうなる?
看護師が「土日休み」で働ける職場について知っておきたいポイントと、給料に関する疑問に答えます。
働き方…規則正しく、残業少なめ
「土日休み」の職場は基本的には日勤のみで、常勤であれば月曜~金曜まで5連勤になるため、規則正しく働くことができるでしょう。
一方で、土日休みの職場に転職して「夜勤ありの働き方よりもハードだ」という人も。
夜勤があれば次の出勤までゆったりとした休みが取れるのに対して、土日休みの職場では5日連続で働き続け、休み明けから次の休みまでが長くなります。平日の後半は疲れが溜まり、しんどいと感じることもあるようです。
また「土日休み」の職場の傾向から、残業は比較的少なめです。
しかし具体的な残業時間やその有無は、施設形態や時期によっても異なるので、転職時には改めて確認したほうがよいでしょう。
キャリアパートナー
施設形態によっては土曜出勤が必要なところもあるため、転職を検討している場合は、土曜出勤は「絶対NG」「午前中だけならOK」「月数回程度なら可能」など、自分の希望を改めて明確にしておくことが大切です。
給料…病棟より100万円減、訪問看護は高め
「土日休み」の職場では休日手当や夜勤手当がなくなるため、病棟に比べると100万円近く年収が低くなります。
土日休みの職場で年収相場が比較的高く、求人数も増加傾向にあるのは、訪問看護と訪問診療。
一方、土日休みの職場としてイメージされやすい保育園やデイサービスでは、年収相場が全体的に低く、地域差も大きいので注意が必要です。
土日休みの職場に転職した看護師さんの声
最後に、看護roo!が実施したアンケートより、土日休みの職場に転職した看護師さんの声を紹介します。
土日休みの職場に転職した看護師さんからは「夜勤や残業がなくなり、プライベートとの両立がしやすい」「家族と時間が合わせられるようになった」とのポジティブな声が多く聞かれました。
大学病院→訪問看護ステーション(26歳)
勤務時間外も仕事のことを考える時間は減り、持ち帰り残業などもほとんどなく、私生活と両立しやすい。
夜勤もなくなったが、給与はさほど変わらず、経済的にも問題なかった。
大学病院→保育所(27歳)
毎日同じ時間に起床、就寝できることで体への負担が変わり、頭痛や生理不順、慢性疲労などがなくなりました。顔色が良くなったと言われることも増えました。
夜勤がなくなった分お給料は減りましたが、日常生活が安定したり、家族に会える時間が増えたりしたので、お金にかえられないものを手に入れられたと思っています。
総合病院→訪問看護ステーション(35歳)
夜勤なし・日祝固定休になったので、主人との時間を合わせられるようになった。
業務量が病棟ほど多くなく、ほとんど残業もないため、残業があっても月に5時間程度だった。
患者様と密に関われるようになったことで、やり甲斐に直結しやすかった。
一方で「自分の看護観に合わない」「給料が大幅に減った」などの理由から、土日休みの職場への転職に不満が残る人もいるようです。
総合病院→保育所(27歳)
保育所のため、看護より保育がメインとなり合っていなかった。
総合病院→訪問看護ステーション(39歳)
訪問看護ステーションの新規立ち上げに伴って入職したため、すぐにスキルアップに繋がる仕事がない状態だった。
お給料が少なかった。
総合病院→訪問看護ステーション(49歳)
病棟から訪問看護への転職で夜勤がなくなり、給料がとんでもなく安くなった。
※アンケートについて
・転職サポートサービスを提供する看護roo!が、看護roo!ユーザーを対象に「はじめての転職」についてのアンケートを実施。
・実施時期:2023年2月
・対象:看護roo!ユーザー(転職経験のある、現在看護師歴2~6年目の看護師・准看護師のみ)
・回答者数:1,263人