どうしても苦手な患者さんがいる|現役看護師かげさんの明日を生き抜く看護メンタル(19)

『現役看護師かげさんの明日を生き抜く看護メンタル』より転載。

今回は「どうしても苦手な患者さんがいる」というお悩みに答えます。

 

苦手な患者さんのところへ方室することに気持ちが落ち込んでいる後輩看護師の様子のイラスト先輩看護師が後輩看護師に苦手な患者さんへの考え方をアドバイスしている様子のイラスト

 

合わない患者さんがいるのは当然のこと

どんな看護師でも、苦手なタイプの患者さんがいるのではないでしょうか。看護する側といえども人間なので、苦手なタイプがいること自体は責められることではありません。

 

病院内には、大声で叫び続けたり怒り続けたりする人もいれば、ひっきりなしにナースコールを連打するような患者さんもいます。

 

もちろん、納得できる範囲であれば怒るのもナースコールを連打するのもかまわないのですが、患者さんのふるまいが度を越してしまうと、看護師のほうもだんだん気が滅入ってしまうのも事実です。

 

苦手だからといって放っておくわけにはいかないので、何かしらの対応策をその都度考えていく必要があるでしょう。

 

患者さんごとの個性を見極めて対応する

どんな患者さんにも合う万能の対応策というのは存在しないので、ひとつずつ対応をていねいに考えるしかないのかもしれません。

 

私がこれまで対応してきた例でいうと、不機嫌な患者さんには気分転換をしてもらうために散歩の時間を作ったり、認知症で何度もナースコールを押す患者さんには「こういうときに押してください」と張り紙を作ったりして改善してきました。

 

ただ、一線を越えた行為、たとえば暴言などを受けたときには事情が変わってきます。

 

私はそういう場合、患者さんが怒鳴っている途中でも「一度戻ります」と制して、ナースステーションに戻っていました。

 

そこに留まって耐えていたら、心が壊れてしまうかもしれないからです。

 

看護師が元気でいるのも看護のうち

看護師として仕事をしていると、患者さん中心に物事を考えるクセがつきます。

 

ただ忘れないでほしいのが、看護は自分の心身の健康を保ってはじめて成り立つということ。

 

大声で怒鳴られるなどの異常な事態にさらされて、無事でいられないというのは当然です。

 

性格だけでなくそういった点も含めて、あまりにも苦手な患者さんがいる場合は、同僚に対応を代わってもらうことも検討してください。

 

その場合、いつも交代をお願いするのではなく「私はこういう患者さんなら得意なので、代わりに行けます」と申し出たり、「このナースコールだけ、代わりに行ってもらえますか」と一部分だけお願いしたりして、同僚に負担が偏りすぎないようにうまく協力し合っていきましょう。

 

 

 

 

 

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プロフィール
かげプロフィール

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病棟看護師、保健師、呼吸療法認定士、終末期ケア専門士。

看護師・看護学生に向けたわかりやすいイラストでの医療知識の解説で、ファンを増やし続けている。著書に永岡書店『ホントは看護が苦手だったかげさんのイラスト看護帖〜かげ看』、南江堂『かげさんのイラストで学ぶ 心電図と不整脈めも』など。

看護roo!では『看護師かげと白石の今週のモヤッと』を連載。

 

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