攻撃的な患者さんに泣かされる|現役看護師かげさんの明日を生き抜く看護メンタル(20)

『現役看護師かげさんの明日を生き抜く看護メンタル』より転載。

今回は「攻撃的な患者さんに泣かされる」というお悩みに答えます。

 

後輩看護師が期限の悪い患者の部屋に報室する様子のイラスト暴言を吐く患者に心が傷ついた後輩看護師を、先輩看護師が寄り添う様子のイラスト

 

「看護師も人間」と気づかせる

体が思うように動かせなかったり、症状や治療に対する苦痛、普段の生活とのギャップに耐えられないことでストレスが溜まったりしてしまう患者さんは少なからずいます。

 

その結果、トゲのある言い方になったり、攻撃的な言動につながってしまったりするケースがあります。

 

実は私も患者さんから「死ね」とか「看護師辞めちまえ」と言われたことがあります。

 

稀ではありますが、もっとエスカレートすると物を投げる患者さんや、暴れてしまう患者さんもいました。


当時、一緒に働いていた先輩は、患者さんから攻撃的なことを言われても「はいはい! わかりました~」と笑顔で仕事をこなしていました。

 

でも、新人の私にはどうにも同じような対応ができません。

 

「患者さんはストレスが溜まっているから仕方ない」と思う自分もいるし、「それでも悲しいものは悲しい」と落ち込む自分もいます。

 

特に看護師は、普段から自分よりずっと苦しい思いをしている人のケアをしているので、つい自分のしんどさを過小評価したり、胸の中にしまい込んだりする傾向にあります。

 

それでも私がこれまでの経験をとおして思い至ったのは、理不尽に傷つけられたときには自分のつらさを相手に伝えていいということです。

 

たとえば「看護師辞めちまえ」と言われたら、「そんなこと言われたら悲しいです」「そんな態度だとすごく怖いです」と率直に言います。

 

そうするとたいていの患者さんはハッとした表情を見せて、少しだけ言葉が和らぐようになります。

 

きっと、看護師も”人間だ”と気づくのでしょう。

 

看護師だから何を言っても傷つかないだろう、こんなこと言われ慣れているだろうと、無意識で思っているのかもしれません。

 

看護は「接客」ではない

看護の経験を積んでいくと「この人は攻撃的な人かもしれない」という直感がはたらくことがあります。

 

あまりにも偏見になってしまったらよくないですが、自分が感じたアラートは無視せず、困ったことになりそうだなと思ったら誰かと一緒に対応するようにしましょう。

 

患者さんと看護師は、同等な立場です。私たちは、接客しているのではなく、看護を提供しているのです。

 

患者さんから看護師を下に見ている態度をとられても、現場で働く看護師の人たちにはそのことを忘れずにいてほしいと思います。

 

患者さんから精神的・肉体的な攻撃を受けたら、上司へ報告し、記録にしっかり残しましょう

 

 

 

 

 

\全国の書店・通販サイトで発売中/

『現役看護師かげさんの

明日を生き抜く看護メンタル』

『現役看護師かげさんの 明日を生き抜く看護メンタル』書影

 

> Amazonで見る  > 楽天で見る

 

もっと試し読みする!

 

 

プロフィール
かげプロフィール

かげXInstagram

病棟看護師、保健師、呼吸療法認定士、終末期ケア専門士。

看護師・看護学生に向けたわかりやすいイラストでの医療知識の解説で、ファンを増やし続けている。著書に永岡書店『ホントは看護が苦手だったかげさんのイラスト看護帖〜かげ看』、南江堂『かげさんのイラストで学ぶ 心電図と不整脈めも』など。

看護roo!では『看護師かげと白石の今週のモヤッと』を連載。

 

SNSシェア

コメント

0/100

キャリア・働き方トップへ

掲示板でいま話題

他の話題を見る

アンケート受付中

他の本音アンケートを見る

今日の看護クイズ

本日の問題

◆感染の問題◆クロストリディオイデス・ディフィシル感染症(CDI)発症のリスク因子として適切でないものはどれでしょうか?

  1. 高齢
  2. 高血圧
  3. 抗菌薬の使用
  4. 炎症性腸疾患などの基礎疾患

4669人が挑戦!

解答してポイントをGET

ナースの給料明細

8972人の年収・手当公開中!

給料明細を検索