梅毒の流行が止まらず|11カ月で4000人を突破

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梅毒の流行が止まらず、11カ月で4000人を突破

梅毒の流行が止まらない。国立感染症研究所がまとめている全国の届け出数によると、2016年第1週から47週(~11月27日)までの累計患者数は4077人となった(図1)。

 

図1 梅毒患者報告数の推移

梅毒患者報告数の推移

(2007年~2016年11月[~11月27日])

 

この時点で昨年実績(2660人)の1.5倍を超え、過去10年で最も少なかった2010年(621人)の7倍近くに迫った。今年は1~6月で2000人を超えたが、7~11月の5カ月間で新たに2000人の患者が発生しており、流行が加速している。

 

(三和護=編集委員)

 

今年に入ってからの月別の報告数を見ると、1、2月が200人台後半、3~5月が300人台で推移していたが、6月(~7月3日)は497人と初めて400人を超えた。7、8月も400人近い報告が続き、9月は492人と年間最多の6月実績に迫った。10月以降も300台で推移している。月単位では毎月、過去10年間の最多を更新し続けている(図2)。

 

図2 月別に見た梅毒患者報告数の推移

月別に見た梅毒患者報告数の推移

(2016年。診断週による集計。年月日による集計と異なる場合がある)

 

患者が最も多くなっている東京都は、リーフレットの発行や6月のHIV検査・相談月間キャンペーンを通じて梅毒の予防、啓発に取り組んできた。だが、梅毒流行を食い止めるまでには至っていない。

 

一方、危機感を募らせた厚生労働省は11月、性感染症の予防や早期発見・治療の必要性を啓発するための新たなポスターとリーフレット(写真)を発表。美少女戦士セーラームーンをキャラクターに起用し、「検査しないと おしおきよ!!」とのキャッチコピーを盛り込むなど、大胆な手に打って出ている(参考記事「性感染症啓発にセーラームーン起用のワケ」)。人気キャラクターに頼らざるを得ないほど、梅毒をはじめとする性感染症は危機的状況にあると認識すべきだろう。

 

写真 美少女戦士セーラームーンを起用したリーフレット

美少女戦士セーラームーンを起用したリーフレット

(裏面には梅毒をはじめとする性感染症の解説を掲載している)

 

<掲載元>

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