コーヒーを傷にすり込む・コインで背中を強力摩擦・・・外国のびっくり治療法4カ国分

「インターナショナルクリニック」の看護師で「エスコートナース」でもある山本ルミが、患者さまとのドタバタな日常をお届けします!



こんにちは~、今年の夏は暑かったですね! 皆さんはどうやって暑さをしのぎましたか? 暑いと、酢の物やキュウリ、トマト、スイカのような冷たい物、水分の多い物を食べたくなりますよね。

 

でも、どんなに暑くてもインドの人は出来たてのカレーを朝昼晩食べて、熱々のミルクティーを飲むそうです。同じ夏でも、国や習慣が違えば過ごし方もさまざまなんですね。
それと同じように、治療の方法も国によってかなり違います。

 

今回は、クリニックで経験した、外国の変わった習慣や治療をご紹介したいと思います。


 

まさか、虐待…!? インドネシアの“痛い”解熱法

ある日、インドネシアからの旅行者がインフルエンザでクリニックを訪ねてきました。かなりをしていたので、胸の音を聞こうと上半身の服を脱いでもらうと……ビックリ! 背中に真っ赤なみみず腫れがたくさんありました。

 

「これはどうしたのですか?」と聞くと、インドネシアでは、熱が出て頭が痛くなったら背中にコインを当てて、思いっきり上から下にこするというのです。赤くなった背中に熱がいくので、頭の熱が下がるとか…。それを知らない私は虐待にあったのかと思いました。

 

この茶色い物、何ですか…? コーヒーで止血するブラジル人

また別のある日のこと。12時を過ぎたので「さあ~ランチに出かけよう」と思っていたとき、2人の女性が“Help me~”と言いながらクリニックに入ってきました。1人の女性の右手には、茶色く染まったタオルが巻かれています。料理をしていて、包丁が滑った拍子にざっくりと切ってしまったそうです。そっとタオルを外してみると、真っ赤な血と茶色い粉のような物が……。

 

「どうしたの? この茶色い物は何?」と聞くと、「これは止血のためのコーヒーです」と彼女は言いました。聞くと、ブラジルではコーヒーをいろいろなことに使うみたいです。でも、粉を直接かけるなんて驚きでした。

 

確かに出血は止まっていましたが、自然に止まったのか、コーヒーで止まったのかは疑問です。それよりも、縫合するために傷口を洗浄するとき、なかなかコーヒーを綺麗に洗い流せなくて大変でした。
 

 

インドのカレーはPM2.5予防にもなるらしい

インドの万能薬はターメリックだそうです。風邪を引いたとき、お腹を壊したときに……というのはまだ理解できます。
でも、PM2.5が東京まで広がったという話が出たとき、「予防のために飲んでいる」と聞いたときは驚きました。「じゃあ毎日カレーを食べればいいのですか?」と聞くと、「そうだよ!」と。

 

それが本当なら、インドの方は毎日健康な食事をしていることになるんですね!
確かにいろいろなハーブやスパイスが入った食事は身体に良さそう!

 


 

ロシアではハチミツが薬! たとえ尿に糖が出たとしても

ロシアのお話もいろいろと聞きました。風邪を引いたらニンニク風呂に入り、切り傷やヤケド、虫刺されにはハチミツが効くとか。ドクターも「身体に良い」と言って、ヨーグルトにハチミツをたっぷりと入れていました!
ときどき尿に糖が出ていたので、看護師の私は「やめて~!」と言っていたのですが、ドクターは言うことを聞いてくれませんでした……(笑)

 

そういえば、ドクターはよく“No Money No Honey”ということわざを使っていました。直訳すると、「お金がなければ、ハチミツもない」ですが、意味としては、「お金がなければ、この世の中では美味しい物も食べられないし、楽しいこともない(少ない)」という感じです。

 

我が家にもあった! ちょっとホラーな怪しい治療法

最後に私が育った家、山本家のお話を。我が家にもたくさんありました。思い返してみると、あまり薬を飲んだ記憶がありません。ヤケドをしたら、裏庭に勝手に生えたアロエを塗って、ケガをしたら、庭のヨモギを摘んで洗って手で揉んで、傷口に当てると不思議と血が止まりました。

 

そんな我が家の治療法には、今思い出しても納得のいかない変なものがありました。それは、魚の骨が喉に引っかかっとき、「お母さんが食べ残した魚の骨を私の頭に乗せると、喉の骨が取れる」というおまじない(かなり怪しい! 騙されていたとしか思えない!)。「骨が刺さって痛い~!」と泣きながら、魚の骨を頭に乗せてごはんの塊を飲み込んでいたのを覚えています。

 

これだけじゃありません。私の兄貴は赤ちゃんのときに夜泣きがひどかったらしいのですが、泣きやませるために、逆さまにしたニワトリの絵を部屋に貼っていたそうです。「ニワトリを逆さに吊るしておくと赤ちゃんの夜泣きが止まる」という言い伝えがあるらしいのですが、さすがに本物のニワトリを使うわけにはいかなかったので絵を書いたようです。
でも夜泣きは止まらなかったそう。母が言うには「ニワトリの絵が下手だったから」とのことでしたが、そもそも発想がおかしいですよね(笑)

 

皆さんにも、我が家のような怪しい治療の経験、ありますか……?

 


【山本ルミ】看護師・エスコートナース
大分県出身。93年より六本木のインターナショナルクリニックに勤務。98年よりエスコートナースとしても活躍している。著書に『患者さまは外国人』(山本ルミ・原案 世鳥アスカ・漫画)など。

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