日本人女性が「世界の勇気ある女性賞」初受賞―マタハラ支援活動を賞賛

【ナース知っ得ニュース 2015/3/11】

 

アメリカの国務省が人権擁護や女性の地位向上に貢献した10人の女性を表彰する「世界の勇気ある女性賞」。2015年はマタハラ被害者支援に取り組んでいる日本人女性が、日本人として初の受賞を果たしました。

 

米 「世界の勇気ある女性賞」に日本人女性(NHKニュース)

 
日本人女性が「世界の勇気ある女性賞」初受賞―マタハラ支援活動を賞賛|ナース知っ得ニュース【2015/3/11】|看護師専用Webマガジン【ステキナース研究所】

 

日本人初受賞は「マタハラ被害者支援」を行う小酒部さやかさん

アメリカ政府が表彰する「世界の勇気ある女性賞」に選ばれたのは、小酒部さやかさん(37歳)。現在、「マタハラnet」という団体で、「マタニティー・ハラスメント」に悩む女性を支援しています。

 

マタニティー・ハラスメントとは、職場で妊娠・出産した女性に対して仕事に支障をきたすという理由から、精神的・肉体的嫌がらせを行う行為のこと。小酒部さん自身、妊娠中に上司から事実上の退職を迫られたことで過去に2回流産した経験を持ち、それが2014年7月の団体設立につながったといいます。

 

「世界の勇気ある女性賞」は、アメリカ国務省が2007年に創設した賞で、毎年各国の10人の人権擁護や女性の地位向上に貢献した女性に授与されるもの。このたび、日本人が選ばれたのは初めてのことでした。

 

 

「マタハラnet」が受賞した理由

「マタハラnet」は、マタハラで悩む女性たちの相談に乗ったり、妊娠や出産を理由に降格や退職を迫られる実態を政府に訴えたりする活動を続けています。

 

例えば、妊娠を理由に降格され、病院側に損害賠償を求めていた広島の理学療法士の女性を支援し、2014年10月の最高裁で有利な判決を勝ち取りました。その内容は、「妊娠中の簡単な業務などへの転換時における降格は原則禁止」とする判断に基づいたものでした。

 

先日3月6日にワシントンで行われた「世界の勇気ある女性賞」授与式の際、ヒギンボトム国務副長官は、小酒部さんの活動に対して、「女性が家族のためにキャリアを諦めなくて済む環境を整えるように訴えている」「女性が日本の経済活動に全面的に参画できるよう闘っている」と称えました。

 

 

他の受賞者の中にはギニアの看護師も

「世界の勇気ある女性賞」を受賞した女性たちの中には、エボラ出血熱ウイルスに感染しながら治療に取り組んだギニアの看護師も含まれていました。その他、シリアのアサド政権の下、人権活動を行った女性なども選ばれています。

 


(参考)

 2015 International Women of Courage Award-Biographies of 2015 Award Winners(アメリカ国務省)

マタハラの問題は、介護中や病気の男性にもあてはまる問題~マタハラNetメンバー会見詳報~(BLOGOS)

マタハラ被害者を叩く、日本の「現状」を考える(東洋経済ONLINE)

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