アニオンギャップとは・・・
アニオンギャップ(あにおんぎゃっぷ、anion gap;AG)とは、血液中に存在する陽イオンと陰イオンの差のことである。代謝性アシドーシスの原因を鑑別する指標となる。
アニオンギャップの求め方
アニオンギャップは、血液ガス分析によって求められた血中のナトリウムイオン値から、炭酸水素イオン値と塩化物イオン値を引くことで求められる。
AG={Na+-(Cl-+HCO3-)}
アニオンギャップ=ナトリウムイオン値-(炭酸水素イオン値+塩化物イオン値)
計算で使用する陽イオンの値は、ナトリウムイオンにカリウムイオンを加える場合もある。
正常な血液中には陽イオンと陰イオンが同価数存在しているため、アニオンギャップを求めることによって、血液ガス分析で測定されなかったその他の陽イオンと陰イオンの値の差が正常かどうかを確かめることが可能になる。
基準値
12±2 mEq/L
数値の識別
AGが増加する代謝性アシドーシス
血液中の陽イオンは増加することはないため、アニオンギャップが増加している場合、血液ガス分析で測定されなかったその他の陰イオンの量が増加しているということになる。
糖尿病性ケトアシドーシス、乳酸アシドーシス、腎不全などの代謝性アシドーシスが起こっている場合にAGが増加する。
AGが正常の代謝性アシドーシス
血液中のナトリウムイオンが減少する尿細管性アシドーシスや下痢が考えられる。
引用参考文献
1)アニオン・ギャップ.医学用語解説集.日本救急医学会.