乳酸とは・・・
乳酸(にゅうさん、lactic acid)とは、糖を利用する際に、嫌気性代謝でグルコース(ブドウ糖)が代謝されると産生される物質である。
嫌気性代謝とは、酸素を消費しないエネルギー代謝のことであり、細胞への酸素供給が需要より少ない場合に起こる。具体的には、ショック・低酸素血症・貧血などの場合が該当する。
代謝
糖が分解されると、解糖系をたどり、ピルビン酸が生成される。ピルビン酸は、酸素の供給が十分であれば酸化されるが、酸素が不足していると、酸化されずに乳酸となる。
乳酸の上昇
乳酸は、ショック・低酸素血症・貧血などにより、酸素の供給が需要を下回ると上昇する。例えば、敗血症性ショックなどが乳酸上昇の原因として挙げられる。
乳酸の上昇は、治療介入の指標としても使用される。
また、生理反応として、強度の高い運動によっても上昇する。
乳酸アシドーシス
血中の乳酸値が上昇すると、乳酸アシドーシスを来すことがある。
引用参考文献
1)八田秀雄.新たな乳酸の見方.特集◆スポーツの科学.学術の動向.11(10),2006,47-50.(PDF)
2)永井良三ほか.嫌気性代謝.看護大辞典.第6版,メヂカルフレンド社,2013,639.(ISBN9784839214784)
3)吉岡成人ほか.検査.系統看護学講座 専門分野Ⅱ 成人看護学6.第14版,医学書院,2015,72-73.(ISBN9784260019880)
4)“乳酸アシドーシス”.日本救急医学会.