敗血症とは・・・
敗血症(はいけつしょう、sepsis)とは、感染症により重篤な臓器障害が引き起こされる状態のことである。感染に対する生体反応が調節不能な病態であり、生命を脅かす臓器障害を招く。
原因
細菌が体内で繁殖し、感染を起こすことが原因となる。
症状
症状は多彩であり、発熱や倦怠感、ふらつきなどがある。特に高齢者では非典型的な症状を訴える場合が多い。ショックや著しい臓器障害を来した場合には、死に至ることもある。
検査・治療
敗血症を疑った場合には、速やかに培養検査を行い、感染源の検索を進めながら、細胞外液の補液と抗菌薬投与を行う。
診断
敗血症の診断基準は、感染症が疑われ、SOFAスコアが2点以上増加したものとされている。SOFAスコア(Sepsis-related Organ Failure Assessment)とは、Vincentらにより作成された、敗血症による臓器障害をスコア化するシステムで、1994年に作成されたが、敗血症以外の臓器障害にも用いられるようになったため、SOFA(Sequential Organ Failure Assessment)と改名され、今日広くICUにおける臓器障害の評価法として用いられている(表1)。
表1SOFAスコア
SOFAスコアは、呼吸器、凝固能、肝機能、循環機能、中枢神経系、腎機能の6項目について、0~4点の5段階で評価する。算出するタイミングは、一般的には、ICU入室時とその後48時間ごとである。SOFAスコアを算出することで、感染症の重症度や予後の判定、早期対応の重要性などを知ることができる。
ICU以外で敗血症を疑う指標としては、qSOFAという診断基準がある(表2)。感染症が疑われる患者において、下記のうち2項目以上を満たす場合に、敗血症を疑い介入・治療を進めることが推奨されている。
表2qSOFAスコア