高尿酸血症とは・・・
高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう、hyperuricemia)とは、生活習慣病の一つで、年齢や性別を問わず血清尿酸値が7.0mg/dLを超えた状態のことである。
病型が3つに分類され、尿酸産生過剰型(尿酸の産生量が増加)、尿酸排泄低下型(尿中の尿酸の排泄量が低下)、混合型(尿酸産生過剰型と尿酸排泄低下型が混在)がある。
症状
血清尿酸値が7.0mg/dLを超えると過剰な尿酸が結晶となり、体内へ蓄積されていく。この結晶が関節内へ析出し、関節炎を引き起こした状態を痛風という1)。
また、たとえ痛風発作を引き起こさなくとも、高尿酸血症は肥満、高血圧、糖・脂質代謝異常、メタボリックシンドロームとの合併症を引き起こすことが多い。
無症候性高尿酸血症
無症候性高尿酸血症とは、痛風発作などの臨床症状が見られない高尿酸血症のことであり、腎障害や高血圧、糖尿病、虚血性心疾患などの合併症を有する場合は、血清尿酸値8.0mg/dL以上で薬物治療が考慮される。
治療
生活指導による治療と、薬物による治療がある。
生活指導による治療
生活指導による治療には、食事療法・飲酒制限・運動療法があり、具体的にはアルコール飲料やプリン体、カロリーの過剰摂取を避けることなどが挙げられる。また、過激な運動は血清尿酸値を上昇させるため控え、週3回程度の有酸素運動を継続的に行うことも重要である。
薬物による治療
薬物治療では、一般的に「6-7-8のルール」が用いられる。6-7-8のルールでは、血清尿酸値が7.0mg/dLを超えた場合を高尿酸血症と定義し、8.0mg/dL以上で薬物治療を考慮する。薬物治療を行う際、血清尿酸値の目標は6.0mg/dLに設定される1)。
また、痛風関節炎を繰り返す場合や痛風結節などの合併症を認める場合も、薬物治療が行われる。
日本で使用できる尿酸降下薬は、尿酸排泄低下型に使用する尿酸排泄促進薬が3種類(プロベネシド、プコローム、ベンズブロマロン)、尿酸産生過剰型に使用する尿酸生成抑制薬が2種類(アロプリノール、フェブキソスタット)あり、腎機能障害、尿管結石の有無に留意しながら投与される。
引用参考文献
1)吉岡成人.系統看護学講座 専門分野2-[6].第14版,医学書院,2015,321p(ISBN9784260019880)