最終更新日 2019/05/13

SCC抗原

SCC抗原とは・・・

SCC抗原(squamous cell carcinoma)とは、子宮頚部扁平上皮がんで発見されたタンパク質で、扁平上皮がんで高値を示すがん関連抗原である。そのため、扁平上皮がんの診断や治療効果の判断、経過観察のための腫瘍マーカーとして用いられる。別名、扁平上皮がん関連抗原ともいう。

 

※腫瘍マーカー:腫瘍マーカーとは、特定のがんに対して特徴的に産生され、血液など で測定可能な物質である。一般的に腫瘍マーカーを測定するタイミングとしては、がんの早期発見、治療後のがんの経過を追うため、がんの病勢の評価などで行われる。しかし、偽陽性・偽陰性が多いため、早期発見に用いられる腫瘍マーカーはほとんどなく、あくまで参考値として測定されるべきである。

 

高値を示す疾患

高値を示す疾患の例としては、子宮頸がん、肺がん、頭頸部がん、食道がん、皮膚がんなどがある。
また、正常の扁平上皮にも存在するため、乾癬や天疱瘡などの良性皮膚疾患、肺結核サルコイドーシスや肺良性疾患などでも上昇することが知られている。
なお、SCC抗原は、皮膚や唾液にも存在するため、偽陽性につながらないよう検体の取り扱いは注意する必要がある(採血時のマスク、手袋装着など)。

執筆: 浅香葉子

神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター副医長

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