更年期とは・・・
更年期(こうねんき、climacterium)とは、閉経前後の5年間のことをいう。女性の閉経の平均年齢は50歳前後といわれており、40代から徐々に女性ホルモンの分泌が低下する。このホルモンバランスの異常によって起こるさまざまな症状を、更年期障害(卵巣欠落症状)という。
症状
通常、更年期にはエストロゲンの量が低下する。更年期障害は、倦怠感、ほてり、発汗、気力の減退、震えなど、多彩な症状を示す。また、精神症状が強く出る場合には、うつ病などとの鑑別が難しい場合もある。
診断
更年期の診断には、まずクッパーマン更年期指数やSMI(簡易更年期指数)を使用した問診が行われる。その後、血液検査でE2検査(エストラジオール濃度)やFSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体化ホルモン)という脳下垂体前葉より分泌される性腺刺激ホルモンの測定を行う。閉経に近づくにつれて、E2値の低下とFSHの高値がみられる。骨粗鬆症のリスクも高まるため、骨密度検査が勧められる場合もある。
治療
更年期症状が強い場合や骨粗鬆症がみられる場合には、ホルモン補充療法(HRT)が広く行われている。その他、症状に合わせて漢方、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)内服などの治療がある。