骨粗鬆症とは・・・
骨粗鬆症(こつそしょうしょう、osteoporosis)とは、さまざまな要因により骨密度が低下し、骨皮質も脆弱になることで骨の強度が低下し、骨折などを引き起こしやすくなる病気や病態のことである。
種類
骨粗鬆症は原発性骨粗鬆症と続発性骨粗鬆症の2つに分類することができるが、そのほとんどが原発性骨粗鬆症となっている。原発性骨粗鬆症とは、加齢や閉経によるホルモン分泌の変化によるもののことをいう。続発性骨粗鬆症はステロイドなどの薬剤によるものや、糖尿病や副甲状腺機能亢進症などの疾患に起因するもの、無動に伴うもの、低栄養に伴うものなどのことを指す。
病態
骨は破骨細胞による骨の破壊吸収と骨芽細胞による骨の形成のバランスが釣り合って、常にリモデリング(古い骨は吸収されて、新しい骨が作られる)が行われている。ホルモンのバランスが崩れたり、薬物の影響などで骨の吸収が相対的に亢進(こうしん)したりすることで発症する。
予防
骨粗鬆症のリスクとしては、喫煙、アルコール摂取、運動不足、食事栄養バランス、痩せなどが挙げられる。これらを是正することが骨粗鬆症の予防につながる。
日本骨粗鬆症学会が発表しているガイドライン『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(2015)』によると、栄養バランスに関しては、カルシウム:700-800mg/日、ビタミンD:400-800IU/日(10-20µg/日)、ビタミンK:250-300µg/日が目標量として推奨されている。
治療
前述した食事療法以外に薬物治療もある。1)ビスホスホネート製剤、2)SERM(selective estrogen receptor modulator:エストロゲン受容体の部分アゴニスト)および女性ホルモン製剤、3)抗RANKL抗体(デノスマブ)、4)テリパラチドの4つに大別できる。
1)ビスホスホネート製剤
破骨細胞に取り込まれることで破骨細胞が障害される。その結果、骨吸収が抑制される。
2)SERM及び女性ホルモン製剤
破骨細胞の働きを抑制することで骨吸収が抑制される。
3)抗RANKL抗体
破骨細胞の成熟を阻害することで破骨細胞の働きが抑制される。その結果、骨吸収が抑制される。注射製剤で半年に1度の皮下注射となる。
4)テリパラチド
遺伝子組み換えのヒト副甲状腺ホルモン製剤である。骨芽細胞を活性化することで骨形成を促進させる効果を持つ。注射製剤で皮下注射となる。製剤により投与間隔が異なる。