最終更新日 2018/03/07

ニトログリセリン

ニトログリセリンとは・・・

ニトログリセリン(にとろぐりせりん、nitroglycerin)とは、硝酸薬であり、血管拡張薬の一種である。内服すると肝臓代謝され失活してしまうため、舌下錠や舌下スプレー、貼付剤、注射薬といった形で使用される。

 

作用する仕組み

体内で代謝されて一酸化窒素を生成し、細胞内のカルシウムイオン濃度を低下させ、血管平滑筋を弛緩させることで血管を拡張させる。部位や神経支配に関係なく全ての血管平滑筋を弛緩させる。静脈を拡張することで前負荷を減らすため、うっ血性心不全に効果がある。また、動脈を拡張することで後負荷を減らすとともに、冠動脈の狭窄を改善する。狭心症の発作時に使用されるのもこのためである。

 

注意すべきこと

血管も拡張するため、頭蓋内圧亢進のある患者では注意が必要である。また、全身の血管拡張作用により血圧低下が起こる。長期的に使用していると耐性ができ、効果が減弱するといわれている。また、大量投与や長期投与でメトヘモグロビン血症を起こすことがある。

 

歴史

元々はダイナマイトなどの爆薬の原料として開発されたが、ダイナマイト製造工場の従業員の症状から血管拡張作用があることがわかり、後に冠動脈拡張作用があることが証明された。

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