脂漏性皮膚炎とは・・・
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん、seborrheic dermatitis)とは、頭部や顔面、頸部、前胸部、腋の下、鼠径部など、皮脂の多い部位(脂漏部位)に発症する皮膚の炎症性病変のことである。
落屑(らくせつ、細かく簡単にはがれ落ちてしまう皮膚)を伴う紅斑が特徴的であり、痒みの程度はさまざまである。頭のフケ症は、脂漏性皮膚炎の初期の症状とも考えられている。
皮脂の分泌量が多ければ発症しやすく、その発症には皮膚の常在菌であるマラセチア属真菌が関与している。増悪因子としては紫外線やストレス、ビタミン代謝(B2とB6)など、さまざまなものがある。また、パーキンソン病やAIDS(後天性免疫不全症候群)患者では発症しやすい。
乳児では生後2~3週間で出現し、8~12カ月で自然に軽快することがほとんどである。思春期以降の年齢で出現した場合は、長時間持続し、根本的な治療は難しい。
治療としては、ステロイドの外用薬や抗真菌外用薬が使用される。生活習慣の改善としては、洗顔・洗髪など脂漏性部位を清潔に保つよう心がける、食生活では皮脂分泌を促すようなコーヒー、香辛料、糖分、脂肪などの取り過ぎに注意するなどである。