遺伝子検査とは・・・
遺伝子検査(いでんしけんさ)とは、遺伝子の欠損や異常などを調べることで、何かの病気にかかりやすい素因を発見したり、医薬品の適合性などを診断したりすることである。遺伝子診断、DNA検査、DNA診断とも呼ばれる。
遺伝子検査の対象
1)ヒトに感染症を引き起こす病原体
2)悪性腫瘍(がん組織)
3)ヒト遺伝学的検査(薬に対する副作用や遺伝性疾患)
これらを総称して遺伝子関連検査としている。
費用
診断できる疾患は多岐に渡る。2006年から遺伝子関連検査に保険が適用されるようになったが、保険適用となっている疾患であっても、血縁者の保因者診断や発症前診断の場合は自費診療である。保険適用になっていないものは、検査の実費を被検者が自己負担しなければならない。
遺伝子検査の実例
がんの診断、抗がん剤の効果予測、薬剤投与量の調節、薬剤の副作用予測、遺伝性疾患の診断など
検査方法
一般的には、血液中のDNAを抽出して遺伝子変異を調べる。口腔粘膜や皮膚、毛髪、爪、唾液などでも検査は可能である。がん細胞などで、後天的な遺伝子変異は、手術などで採取された組織を用いて検査する。
検査結果の取り扱い
個人の遺伝学的情報は、血縁者同士で一部共有されているため、その影響は個人に留まらない。特に高い機密性が求められる。
遺伝子診断の正確性
典型的な症状の患者でも、遺伝子診断で異常が見つかる確立は約70~80%といわれている。疾患によって異常が見つかる確率は変わる。また、遺伝子に異常が見つからなかった場合でも、今後その病気にかからないとは言い切れない。
引用参考文献
1)医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン.日本医学会.(PDF)
2)かかりつけ医として知っておきたい遺伝子検査、遺伝学的検査 Q&A 2016.公益社団法人 日本医師会.(PDF)
3)よくあるご質問.国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院.