最終更新日 2017/07/18

爪とは・・・

爪(つめ)とは、タンパク質の一種であるケラチンでできている、ケラチン分子の解析により爪は、表皮と毛の両方を併せ持つ組織と考えられている。爪は手足それぞれの指先を保護しており、指腹に加える力を支えている。足の爪は、安定して身体を支え、歩行時には爪先に力を入れる役割がある。

爪は爪の根元にある爪母基(そうぼき)で生成されるが、爪母基の損傷など強い刺激を受けると正常な爪が生えないこともある。

 

爪の構造

爪甲(そうこう、ネイルプレート)

一般的に「爪」と呼ばれる、露出した部分である。死んだ細胞の集合体で、切っても痛みを感じない。指先を保護する役割を持っている。

 

爪根(そうこん、ネイルベース)

皮膚の下に隠れた爪の根元の部分である。できて間もない爪のため柔らかく、後爪郭という部位で保護されている。

 

爪母基(ネイルマトリックス)

爪根にあり、新しい爪を作る細胞が集結している部分である。爪母細胞の細胞分裂で増加することにより、新しい爪が生成され、それが押し出す力で爪先へと伸びていく。傷ついたことが原因で爪母が正常に細胞分裂できないときには、表面に凹凸のある爪が生えたり、正常な爪が生えなくなったりする。

 

爪先(そうせん、フリーエッジ)

爪甲の先端部にあり、爪が爪床から離れて外側へと伸びる部分である。別名、遠離縁(ゆうりえん)という。爪が伸びることにより、水分は爪床から補われにくくなる。水分不足をもたらすことで、爪は剥がれたり折れたり二枚爪になる。

 

爪床(そうしょう、ネイルベッド)

爪甲の裏側にあり、薄いピンク色で皮膚に密着している皮膚のこと。爪が伸びることにより爪床からは離れ、色は透明から白色へと変わり爪床となる。

 

爪郭(そうかく、ネイルウォール)

爪甲の両側にあり、やや盛り上がった皮膚の部分である。側爪廓(そくそうかく)は爪甲の左右両側を囲む部分で、後爪廓(こうそうかく)は爪根を覆っている部分をいう。

 

黄線(イエローライン)

爪床と爪先の境界線で、爪と皮膚が離れる部分である。爪半月(そうはんげつ、 ルヌーラ):形は半月状で、爪甲の根元にある白色の部分である。生成したての新しい爪は角質化がまだで、水分が多いため白色に見える。爪半月が大きい=健康という訳ではない。

 

爪上皮(そうじょうひ、キューティクル)

皮膚との境界線を覆う角質で、爪甲の根元にある。いわゆる甘皮で、爪の根元にある薄い皮膚のこと。新しく生成されたばかりの爪甲を保護する働きがある。乾燥によりささくれができるのはこの部分である。

 

成長のサイクル

小児は新陳代謝が活発なため成人より早く伸びる。また、冬季よりも夏季の方が爪は早く伸びる。
爪全体の生え変わりは、成人で1日約0.1㎜伸長し、爪甲全体の再生には6~12か月かかる。爪は10~15%ほどの水分を含んでいるが、生え始めの部分は水分が多いため白色に見える。爪の水分量は季節によって変化するため、乾燥する冬季は爪が割れやすくなる。

 

爪の不調によって起こる疾患

爪の不調によって起こる疾患として巻き爪があげられる。巻き爪は足の爪の両側先端部が内側に曲がった状態のことである。部位は母趾爪がほぼ80%を占める。
巻き爪には、陥入爪(かんにゅうそう)、弯曲爪(わんきょくそう)、爪甲鉤弯症(そうこうこうわんしょう)などがある。
巻き爪の中では陥入爪が最も多く発生する。両側性の陥入爪が悪化したものが弯曲爪で、爪が分厚くなり、濁った黄色や茶色に変色する爪甲鉤弯症は高齢者に多く見られる。

 

症状

・痛み
爪甲のかどが爪廓に食い込むと圧迫により痛みを生じる。さらに感染を生ずると発赤、腫脹が増し、化膿性肉芽腫ができ、異物反応も伴う。

 

原因

・深爪
爪の黄線に沿ってきれいに切ってしまうと深爪になることがあります。
爪周囲の皮膚が盛り上がって爪の成長を妨げるため、爪が皮膚に食い込むように伸びる。その結果、巻き爪を起こしたり悪化させたりする。爪は四角くカットする。

・誤ったサイズの靴
誤ったサイズの靴を着用することで、爪が靴に当たり巻き爪を引き起こす。

・ハイヒール、つま先のとがった靴
爪を圧迫することで巻き爪を引き起こす。

・指への打撃
足の爪をぶつけたり指や爪に負担がかかったりすると、爪の側面やその周りの肉の部分に炎症が生じる。

・体質
爪が薄い、柔らかいなど個々の体質が原因となることもある。

 

予防

正しい靴の選択、ハイヒールやつま先のとがった靴の着用は短時間にする、正しく爪を切り、巻き爪になりかかっているときは爪切りではなくやすりを使うなどの爪に負担をかけない方法で短くすることがあげられる。
 

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