急性リチウム中毒とは・・・
急性リチウム中毒(きゅうせいりちうむちゅうどく、acute lithium intoxication)とは、炭酸リチウムを大量に摂取することによって起こる中毒のことである。
炭酸リチウムは躁病の治療に使用する抗躁薬である。しかし、有効な血清リチウム濃度が0.6~1.5mEq/Lと狭く、加えてリチウム中毒症状を起こす濃度が2.0mEq/L以上とあまり離れていない。そのため服薬には急性リチウム中毒とならないように、特に注意が必要である。
症状
症状は多彩で、嘔気、嘔吐、下痢、錯乱、振戦、低血圧、などが挙げられる。中毒が進行すると、ミオクローヌス、昏睡、全身痙攣、心電図異常、呼吸不全などを引き起こすことがある。
治療
炭酸リチウムの減量、または投与を中止するなど適切な処置を行う。服用後に催吐、胃洗浄を行うこともある。
引用参考文献
1)高久史麿ほか監.治療薬マニュアル 2014.医学書院,2014,2656p.(ISBN9784260018852)
2)星恵子ほか編.ポケット版臨床医薬品集2015.薬事日報社,2015,1140p.(ISBN9784840812870)