マルファン症候群とは・・・
マルファン症候群(まるふぁんしょうこうぐん、Marfan's syndrome)とは、結合組織の障害により種々の症状を呈する先天性の遺伝疾患である。
結合組織とは細胞と細胞をつなぎ、体のさまざまな器官を一定の形や位置に保つ働きをしている。マルファン症候群では、FBN1やTGFβなどの遺伝子の変異によって細胞骨格が正常に作られず、全身の結合組織が脆弱になる。
常染色体優性遺伝であり、約5,000人に1人の頻度で発症するといわれている。すべてが親からの遺伝によるわけではなく、突然変異によるものもある。
症状
症状としては、血管壁が脆弱になることで、大動脈瘤や大動脈解離、大動脈基部の拡張による大動脈弁閉鎖不全などを起こす。また、骨格が脆弱になることで、側弯、漏斗胸などの胸郭形成不全を起こし、水晶体の亜脱臼や気胸なども合併することがある。外見上は、高身長で痩せた体格、細くて長い指などになることが多い。
すべての人にすべての症状が当てはまるとは限らず、年齢とともに症状が明らかとなる場合もあるので、家族歴がある場合には注意深いフォローアップが必要である。
治療
大動脈解離などの心血管系の合併症によって予後が決まるため、動脈瘤などが大きくなってくる場合には手術介入を考慮する。早期に診断され適切なフォローアップと治療を受けることが重要である。