最終更新日 2017/12/22

大動脈瘤

大動脈瘤とは・・・

動脈瘤(だいどうみゃくりゅう、aortic aneurysm)とは大動脈壁の一部の全周ないしは局所が拡張した状態である。

 

横隔膜の高さの上下のどちらにあるかで胸部大動脈瘤と腹部大動脈瘤と名称が変化する。一般的に胸部大動脈の正常径は3cm、腹部大動脈は2cmであり、それらの径の1.5倍以上に拡張したものを大動脈瘤と呼ぶ。

 

一般的に無症候であるが、瘤径の拡大により、それぞれの部位に応じた症状が出現する。胸部大動脈瘤では反回神経障害による嗄声が認められる場合がある。腹部大動脈瘤は腹部正中の拍動性腫瘤などとして触知され、著明に拡大すると目視にても拍動を確認できることがある。単純レントゲン、超音波やCTにより発見されることが多い。

 

瘤径が著明に拡大ないしは急激に拡大する場合は大動脈瘤破裂をきたし、死に至る可能性が極めて高い。そのため、手術適応となるまでは定期的かつ慎重な画像検査でのフォローアップが必要となる。また、瘤拡大を抑制するため、外来にて厳格な降圧療法が推奨されている。

 

万が一、拡大傾向にある場合は破裂による死亡を回避するために手術療法が行われる。現在では、解剖学的特徴に応じて外科的治療ないしはカテーテル治療が選択される。

執筆: 森山典晃

湘南鎌倉病院 循環器科

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