レビー小体型認知症とは・・・
レビー小体型認知症(れびーしょうたいがたにんちしょう、Dementia with Lewy Bodies;DLB)とは、パーキンソン症状や幻視を呈する進行性の認知症である。アルツハイマー(Alzheimer)型認知症や脳血管障害性認知症とともに三大認知症の一つである。
原因
大脳皮質など広範に、レビー小体(神経細胞内に出現する円形の構造物(細胞質封入体))が蓄積することで発症する。
症状
レビー小体認知症は、老年期(65歳以上の高齢者)に発症することが多い。主な症状としては、以下の3つが挙げられる。
(1)進行性の認知機能の変動(日時によって変動する)
(2)幻視やせん妄などの特有の精神症状
(3)パーキンソン症状(パーキンソニズム)
その他にも、自律神経症状やレム睡眠行動障害が認められることもある。
検査・診断
レビー小体型認知症の診断のために、主にCT、MRI、SPECT、PET、を用いた検査を行う。
CTやMRIでは、大脳の全般的な萎縮が見られる。しかし、海馬の萎縮は軽度であるのが特徴である。
SPECTやPET画像では、後頭葉の血流低下・糖代謝低下が認められる。幻視の症状は、一次視覚野が存在する後頭葉の機能障害によるものと考えられている。
また自律神経障害を反映して、MIBG心筋シンチグラフィーで心臓交感神経における集積低下が見られる。
治療法
治療としては、対症療法が中心となる。認知機能障害や幻視などの精神症状に対しては、塩酸ドネペジルが有用なケースがある。好悪精神病薬は症状を増悪させやすいので使用には注意が必要である。パーキンソニズムには、レボドパなどの抗パーキンソン病薬が有効であるが、幻覚などを誘発しやすいため、投薬には注意を要する。
引用参考文献
1)医療情報科学研究所編.病気がみえる vol.7 脳・神経.メディックメディア,2014,350.(ISBN:9784896323580)
2)“レビー小体型認知症”.日本神経学会.