高炭酸ガス血症とは・・・
高炭酸ガス血症(こうたんさんがすけっしょう、hypercapnia)とは、体の組織でできた二酸化炭素を十分に体外に放出できない状態のことである。
原因
高炭酸ガス血症は、肺胞低換気で生じる。肺胞低換気を来す疾患は、呼吸器疾患だけでなく、中枢神経系疾患や代謝性疾患など多彩である。
症状
高炭酸ガス血症を来すとpH(水素イオン濃度)の低下(呼吸性アシドーシス)と低酸素血症を伴う。症状としては、頭痛やめまい、発汗、錯乱、高血圧などがみられる。動脈血中のPaCO2が急激に上昇した場合には、CO2ナルコーシス※を招き、昏睡、呼吸停止に至ることがある。急性期にはpHは低下しているが、数日以上続くと腎尿細管でのHCO3-の再吸収が増加し、HCO3-が高値となりpHは正常に近くなる(腎性代償)。
※CO2ナルコーシス:高炭酸ガス血症により意識障害を伴い、中枢神経症状を伴う病態
治療
治療としては、高炭酸ガス血症を引き起こしている原因疾患の治療が必要となる。原因疾患に対する治療ではないが、低下した換気を補助するために人工呼吸管理を行うこともある。