交差適合試験とは・・・
交差適合試験(こうさてきごうしけん、cross match)とは、患者に提供されたドナーの血液製剤が適合するか判断するための検査のことである。クロスマッチ、クロスマッチ(ング)テストともいう。
交差適合試験は、血液型不適合輸血の防止を目的として行う。
患者の血液とドナーの血液を混合して反応の有無を見るものであり、反応がなければ輸血が可能、混合した血液が凝集や溶血反応を起こすと輸血は不可能となる。
交差適合試験には主試験と副試験とがある。
主試験:患者血清とドナーの血球との反応を確認する
副試験:患者赤血球とドナーの血漿との反応を確認する
主な検査法としては、生理食塩液法(主・副試験)、間接抗グロブリン法(主試験)がある。
不適合の血液を輸血すると、重篤な溶血反応などにより死に至る可能性もあるため、輸血前のクロスマッチは原則必須である。
この他に、臓器移植の際、患者の血清中にドナーに対する抗体の有無を調べるリンパ球交差試験(リンパ球クロスマッチ)がある。
引用参考文献
1)“輸血のための検査マニュアル Ver.1.3.1”.日本輸血・細胞治療学会.
2)奈良信雄編、荒木昭博ほか.系統看護学講座 別巻9臨床検査.第7版,医学書院,2016,356p.(ISBN9784260018036)