急性期、回復期、慢性期など、病院・病棟はそれぞれ担う「医療機能」が異なります。なんとなく「最初はやっぱり急性期がいいのかな」というイメージがあると思いますが、必ずしもそうとは限らないかも?
それぞれの違いを知って、自分の適性や興味に合った就職先選びの参考にしてください。
高度急性期機能
医療機能
- 診療密度が特に高い医療を提供
- 看護配置:2対1、4対1、7対1
こんな人がおすすめ
- 緊張感のある現場で成長したい
- 高度な救命救急医療に興味がある
急性期の患者さんに対し、状態の早期安定化に向けて、診療密度が特に高い医療を提供する機能のこと。大学病院などの特定機能病院や、救命救急・ICU(集中治療室)・HCU(高度治療室)・NICU(新生児集中治療室)などが当てはまります。
重症度の高い患者さんが多いため、看護師も手厚く配置されています。看護配置(◯対1:患者さん◯人に対して看護師1人)はICUが2対1、HCUが4対1、救命救急が2対1~4対1、病棟が7対1となっています。
患者さんの重症度・緊急度が高く、緊張感のある現場です。1分1秒が命に関わることも少なくなく、看護師にも冷静さとスピード、アセスメント力が求められます。
急性期機能
医療機能
- 状態の早期安定化に向けた医療を提供
- 看護配置:7対1、10対1
こんな人がおすすめ
- 緊張感のある現場で成長したい
- 幅広い知識・スキルを身につけたい
急性期の患者さんに対し、状態の早期安定化に向けた医療を提供する機能のこと。高度急性期と比べると診療密度はやや下がりますが、同じように重症度・緊急度の高い急性期の医療を支えています。
この急性期機能の病院・病棟が最も多く、全国の入院ベッドのうち半数ほどが急性期に当たります。そのため、看護師の働く場所として一番メジャーな存在と言えるでしょう。
診療科もさまざまあり、幅広い疾患・病態を学べます。入退院のサイクルが速く、急変対応や手術・検査前後の対応、医療処置なども多いので、スピーディーな対応力が養えます。
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回復期機能
医療機能
- 在宅復帰に向けた医療・リハビリを提供
- 看護配置:13対1、15対1
こんな人がおすすめ
- 患者さんとじっくり関わりたい
- 在宅復帰の支援に関心がある
急性期を経過した患者さんに、在宅復帰に向けた医療・リハビリテーションを提供する機能のこと。回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟などが当てはまります。
回復期リハビリ病棟では、特に脳血管疾患や大腿骨頚部骨折などの患者さんの入院が想定されています。地域包括ケア病棟では、急性期からの転院や在宅療養中に状態が悪化した患者さんを受け入れる役割が期待されています。
急性期に比べて入院日数が60日~180日と長く、退院後の生活を見据えた関わりが多いのが特徴です。元気に退院される姿にやりがいを感じられます。
慢性期機能
医療機能
- 長期の療養が必要な患者さんに医療を提供
- 看護配置:20対1
こんな人がおすすめ
- 患者さんとじっくり関わりたい
- 落ち着いた環境で働きたい
長期にわたって療養が必要な患者さんに入院医療を提供する機能のこと。療養病棟が当てはまります。また、神経難病や重度の意識障害などの患者さんが入院する障害者病棟も慢性期に当たります。
病状は安定しているものの複数の慢性疾患を抱え、ADLや認知機能が低下した高齢の患者さんが中心です。病院が「生活の場」となっている方が多く、看護師の役割も日常生活の援助がメインとなります。
入院期間が平均120日以上と長く、患者さん1人1人にじっくり関われるのが特徴。受け持ち人数は多いですが、突発的な対応が少ないので落ち着いた環境で働けます。
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執筆者プロフィール
看護roo!編集部
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更新日:2024/12/17