ベッドの選択・乳幼児用ベッドの仕組み
『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』(インターメディカ)より転載。一部改変。
今回はベッドの選択・乳幼児用ベッドの仕組みについて解説します。
山元恵子
富山福祉短期大学看護学科長
病院における事故では、成人・小児を問わず、ベッドからの転落・転倒が圧倒的に多い。
小児におけるベッドからの転落防止対策は、入院時のベッドの選択から始まる。
ベッドの選択
ベッドには「新生児用ベッド(図1)」「乳幼児用ベッド(図2)」「成人用ベッド(図3)」の3種類がある。ベッドは患児の生活の場である。安全な日常生活を保障するため、患児の成長・発達に合わせてベッドを選択する必要がある。
図1 新生児用ベッド
POINT
■マットレスは固めにし、隙間を作らない。
■ベッド周囲にガーゼやひも(お守りなど)を置かないよう注意。
図2 乳幼児用ベッド
POINT
■ベッドは柵やレバーに不良欠損がなく、整備・点検されたものを用意する。
■ベッド柵の隙間から患児の頭や顔が出ないものを選択する。
■患児がベッド柵を飛び越えることができないように、環境を整備する。
図3 成人用ベッド
POINT
■成人用ベッドで、家族が患児に添い寝をするなどの安易な選択は控える。
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乳幼児用ベッドの仕組み
乳幼児用ベッドにはベッド柵がついており、写真のタイプは、3段階の高さでとめることができる(図4、図5、図6)。
図4 レバーを引いて柵を下ろす
図5 柵を確実に固定する
図6 柵は下段より下には下げない
POINT
■ベッド柵は、用途に応じて上段・中段・下段の高さに変えられる。
■柵についているレバーは両手で取り扱う。
■柵の高さは下段より下には下げない。
■包帯などを使って柵を固定してはならない。
キャスター(車輪部)にはストッパーがあり、静止時には、必ずストッパーで固定する必要がある(図7)。さらにベッドの角度調節を行うハンドルがついている(図8)。
図7 ストッパーで固定する
POINT
■キャスターは必ず、ストッパーで固定されていることを確認する。
■ベッド周囲には電気コードなどの危険物をはわせない。
図8 ハンドルでベッドの角度を調整する
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本連載は株式会社インターメディカの提供により掲載しています。
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[出典] 『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』 監修 山元恵子/編著 佐々木祥子/2022年7月刊行/ インターメディカ