体重の測定
『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』(インターメディカ)より転載。一部改変。
今回は体重の測定に測定について解説します。
風間 敏子
元 難病子ども支援全国ネットワーク電話相談室
体重測定は、成長・発達状態、栄養状態の評価の指標になるほか、栄養の必要量、水分量、薬剤の投与量の算出に用いられる。
浮腫や脱水など病状経過の把握、異常の早期発見にも役立つ。
体重測定の目的
- 1小児の成長・発達状態や栄養状態の評価。
- 2栄養の必要量、水分量、薬剤の投与量の算出。
- 3疾病や異常の早期発見。
- 4浮腫や脱水の病状経過の把握、治療効果の判定。
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1 必要物品の準備
乳児は寝たまま計測できるようベビースケールを使用する(図1)。幼児・学童は立位で測定できる体重計を選択する(図2)。
前回測定値を記録し、体重計を点検。室温を26℃前後に調整し、必要時、スクリーンやカーテンを使用してプライバシーに配慮する。
点滴固定用シーネを使用している場合は、あらかじめシーネの重さを測定しておく。
①体重計
②バスタオル
③筆記用具
④メモ用紙
⑤スクリーン(必要時)
乳児の場合
図1ベビースケール
POINT
■体重は、授乳・入浴・排便などにより変動する。授乳前、入浴前など、測定条件を一定にする。
■一般的に新生児・乳児には感量5~10g、幼児・学童には感量50g以下のものを使用する。
幼児・学童の場合
図2 体重計
POINT
■体重計は平らな場所に置き、固定して使用する。
■デジタルの場合は、0設定を確認する。
■衣類を着たまま測定する場合は、衣類の重量を測定しておく。
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2 体重の測定
乳児の場合
乳児用体重計にバスタオルを敷き、目盛りを0点に設定。デジタルの場合は0設定を確認する(図3)。
図3 目盛りを0点に設定
衣服を脱がせて裸にし、乳児を体重計に静かに乗せる。測定中は乳児から目を離さず、手を体の上方に差し出して転落を防止する(図4)。
図4 乳児を体重計に乗せる
体動の少ない時点で値を読み取り(図5)、前回測定値との差が著しい場合は測定方法を再確認し、再測定する。
図5 値を読み取る
幼児・学童の場合
患児や家族に説明し、衣類を脱がせて体重計に静かに乗せる(図6)。
測定値を読み取り、前回測定値と比較。差が著しい場合は再測定する。衣類を着たまま測定した場合は、衣類の重量を差し引く。
図6 体重計に静かに乗ってもらう
POINT
■2歳未満の場合は、仰臥位か坐位かを選択する。
■体重測定時、小児の発達状態、栄養状態、皮膚の状態を評価し、疾病・障害・虐待の早期発見や予防に努める。
■測定値に著しい増減がみられる場合は、医師に報告する。脱水・浮腫・腹水などの場合、体重の変化によって治療方針が決定される。
■健康時との体重差を把握する。
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本連載は株式会社インターメディカの提供により掲載しています。
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[出典] 『新訂第2版 写真でわかる小児看護技術 アドバンス』 監修 山元恵子/編著 佐々木祥子/2022年7月刊行/ インターメディカ