おさらい! 緊急度判定のながれ
『いまさら聞けない!急変対応Q&A』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は緊急度判定のながれについて解説します。
道又元裕
Critical Care Research Institute(CCRI)代表
緊急度の判定は、急変対応を考えるうえで、非常に重要です。患者のベッドサイドを訪れるとき、“デキる先輩看護師”は、この流れに沿ってアセスメントをしています。ポイントを表にまとめますので、参考にしてください(表1)。
なお、バイタルサインを確認するとき、「すべての患者に対して、1分間、脈拍と呼吸をみる余裕がない…」という悩みが寄せられることもあります。
呼吸も脈拍も、機械のように狂いなく刻まれているわけではありません。そのため、呼吸や循環に異常がないかを正しく判断するためには、ある程度継続して観察する必要があります。急変が疑われる場合はなおさらです。呼吸パターンの乱れや、脈拍の欠損などを把握するためには、やはり、1分間の観察が必要です。
そうはいっても、忙しい病棟業務のなかで、すべての患者に対して1分間の観察を行うのは難しいかもしれません。最低でも20秒の観察を行い、その結果を3倍して計算するようにしてください。20秒あれば、呼吸も脈拍も、異常を察知することが可能になるでしょう。
ただし、急変を疑う患者の場合は、1分間の観察を行ってください。
[出典] 『いまさら聞けない!急変対応Q&A』 編著/道又元裕ほか/2018年9月刊行/ 照林社