ジューリング(Duhring)疱疹状皮膚炎|水疱症③

『皮膚科エキスパートナーシング 改訂第2版』(南江堂)より転載。
今回はジューリング(Duhring)疱疹状皮膚炎について解説します。

 

立石千晴
大阪公立大学大学院医学研究科皮膚病態学

鶴田大輔
大阪公立大学大学院医学研究科皮膚病態学

 

 

Minimum Essentials

1免疫グロブリンIgA抗体が皮膚に沈着するまれな水疱症である。

2肘頭、膝頭、臀部にかゆみの強い丘疹・小水疱を慢性再発性に生じる。

3ジアフェニルスルホン(diaminodiphenyl sulfone:DDS)または外用療法で軽快する。

4慢性、再発性に経過する。

 

ジューリング疱疹状皮膚炎とは

定義・概念

免疫グロブリンIgA抗体が皮膚に沈着するまれな水疱症。肘頭、膝頭、臀部にかゆみの強い丘疹・小水疱を慢性再発性に生じる。
 

原因・病態

発生機序や病態は不明であるが、表皮トランスグルタミナーゼに対するIgA抗体が関与していると考えられている。

 

 

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診断へのアプローチ

臨床症状・臨床所見

好発部位は肘頭、膝頭、臀部で、左右対称に、激しいかゆみを伴う小水疱、紅斑、丘疹、痂皮びらんなどがみられる。慢性、再発性に経過する(図1)。

 

図1 臀部の小水疱

臀部の小水疱

 

検査

皮膚生検を行うと表皮の下に水疱がみられる。蛍光抗体法で真皮上層部にIgAが沈着している。

 

 

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治療ならびに看護の役割

治療

おもな治療法

DDS(レクチゾール®)が第一選択である。軽症例では、ステロイド外用療法のみで軽快することがある。

 

合併症とその治療

グルテン過敏性腸症合併は、欧米では85%以上の患者にみられるが、日本での合併は少ない。また、欧米では家族内発生が 2.3~6.5%の頻度でみられるが、日本での家族内の報告はない。

 

治療経過・期間の見通しと予後

慢性、再発性に経過するが、日本では軽症例が多い。

 

 

看護の役割

治療における看護

DDS内服の副作用で、薬疹・肝機能障害がみられることがある。皮疹や全身倦怠感がないかを注意する。外用療法では皮疹部位への外用を指導する。

 

フォローアップ

症状があるときには通院加療が必要である。

 

 

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本連載は株式会社南江堂の提供により掲載しています。

 

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[出典] 『皮膚科エキスパートナーシング 改訂第2版』 編集/瀧川雅浩ほか/2018年4月刊行/ 南江堂

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