急性心不全・慢性心不全
『本当に大切なことが1冊でわかる循環器』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は急性心不全と慢性心不全について解説します。
中嶋ひとみ
集中ケア認定看護師
新東京病院看護部
〈目次〉
急性心不全ってどんな状態?
心筋梗塞などで代償機転を上回る、急激に心臓ポンプ機能が低下した状態です。
血行動態が急激に悪化をきたす状態で、急速な心臓ポンプ機能低下と代償機転の破綻が生じ、重症例では心停止や心原性ショックに至る状態になります。心原性ショックが考えられる場合、ショックの5Pを参考に、すみやかに対応しましょう(図1)。
図1ショックの5P
急性心不全は、心筋梗塞などの疾患を契機に新規に発症したり、慢性心不全の急性増悪が考えられます。
慢性心不全ってどんな状態?
慢性疾患(高血圧、虚血性心疾患、心臓弁膜症など)による慢性的な心筋障害により、徐々に心臓に負担がかかった病態です。
血行動態の悪化が徐々に進行する状態で、代償機転が長期間はたらき、心機能低下がゆっくり生じる状態です。この期間が持続したあと破綻し、臓器の需要酸素量に見合う血液量を拍出できなくなった状態が慢性心不全の急性増悪です。
急性増悪すると、うっ血症状が出現し、日常生活に支障をきたします。
文献
- 1)Yancy CW, Jessup M, Bozkurt B, et al. 2013 ACCF/AHA guideline for the management of heart failure:a report of the American College of Cardiology Foundation/American Heart Association Task Force on practice guidelines. Circulation 2013;128:e240-e327.
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- 17)JSEPTIC看護部会監修,卯野木健,森安恵実編:ICUナースポケットブック 第3版.学研メディカル秀潤社,東京,2016:29.
本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。
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[出典] 『本当に大切なことが1冊でわかる 循環器 第2版』 編集/新東京病院看護部/2020年2月刊行/ 照林社