トンネルに入ると耳が詰まるのはなぜ?

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は耳閉塞感について解説します。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

トンネルに入ると耳が詰まるのはなぜ?

列車がトンネルに入ったり、高層ビルのエレベータに乗ったり、飛行機が離着陸する時などに、が詰まったように感じることがあります。これは、外界から鼓膜にかかる気圧が変化し、鼓膜の奥にある鼓室(こしつ)の気圧との間に差が生じるためです。これを耳閉塞感といいます。

 

しかし、ほとんどの場合、唾液を飲み込むと耳閉塞感は消失します。これはなぜなのでしょう。

 

耳、、のどの間には、耳管(じかん)という一種の換気口のような管があります。通常、耳管は閉じているのですが、物を飲み込んだり、あくびをしたときなどに開き、空気が出入りする仕組みになっています。その結果、鼓室の空気の移動が起こり、鼓膜を挟んだ鼓室と外界の気圧が等しくなります。

 

耳の詰まりが治ったと感じるのは、それまで振動しにくかった鼓膜が正常に振動して音を伝えられるようになったからです。鼓膜は、外界と鼓室の気圧が等しいとき、最も効率的に振動します。

 

※編集部注※

当記事は、2020年1月14日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版』 (監修)山田幸宏/2023年8月刊行/ サイオ出版

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