細胞性免疫とはどんなもの?
『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は細胞性免疫について解説します。
山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長
細胞性免疫とはどんなもの?
細胞性免疫の主役はB細胞ではなく細胞傷害性T細胞やNK細胞です。液性免疫(「抗体はどうやってできるの?」参照)でのB細胞の代わりに、細胞傷害性T細胞やNK細胞を置いてみてください。
細胞性免疫では、抗体が産生されるのではなく、細胞傷害性T細胞自体がヘルパーT細胞の助けで活性化され、対象を攻撃するようになります。攻撃の対象は、①ウイルスに感染した細胞(ウイルスが細胞内に入ってしまうため、抗体による外からの攻撃ができない)、②癌細胞、③移植された組織や細胞などです。細胞性免疫では細胞傷害性T細胞が直接対象を攻撃し、細胞を破壊します(図1)。
図1NK細胞と抗原提示によるT胞、B細胞の活性化
※編集部注※
当記事は、2019年7月16日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック 第2版』 (監修)山田幸宏/2023年8月刊行/ サイオ出版