ストーマ周囲の状態を記録するルールはあるの?

ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95』より転載。
今回は、ストーマ周囲状態の記録について解説します。

 

ストーマ周囲の状態を記録するルールはあるの?

 

ストーマケアに関する記録は,現状を理解するだけでなく,起こっている問題や解決方法を導く大切な資料です.
記載に関して明確なルールはありませんが,ストーマサイズ,ストーマ粘膜の状態,ストーマ粘膜皮膚接合部,ストーマ近接部,皮膚保護剤貼付部,皮膚保護剤貼付外周部に加え,排泄物の性状,はずした装具の状態や腹部全体の状態,装具交換時の体位などを記録しておくことで次へのケアにつながります.

 

解説

変化するストーマやストーマ周囲の皮膚状態を,ケアする誰もが理解できるように正しい部位と正しい表現を用いて記録することで,統一したケアや変化がわかるようにします.

 

たとえば,「ストーマ周囲に皮膚障害がある」と記録するより,「ストーマ近接部3時から6時方向にびらんがある」と記載するほうがより理解しやすくなります.さらに,「ストーマ近接部3時から6時方向にびらんがある.座位になると腹壁の3時方向に深いしわがあり,ストーマ装具の同部位に排泄物のもぐりこみがある」と記載すればストーマ周囲状態だけでなく,排泄物のもぐりこみが原因となる皮膚障害で,装具装着時には3時方向にできる深いしわへの対策を考えることができます(図1).

 

図1ストーマ記録と観察

ストーマ記録と観察

 


[参考文献]

 

  • 1)ストーマリハビリテーション講習会実行委員会編.ストーマリハビリテーション 実践と理論.金原出版,2006.
  • 2)日本ET/WOC協会編.ストーマケア エキスパートの実践と技術.照林社,2007.
  • 3)日本ストーマリハビリテーション学会編.ストーマリハビリテーション学用語集.第2 版.金原出版,2003.

 


[Profile]
菅井亜由美 すがい・あゆみ
星ヶ丘厚生年金病院看護局看護科長/皮膚・排泄ケア認定看護師

 

*所属は掲載時のものです。

 


本記事は株式会社メディカ出版の提供により掲載しています。

 

[出典]『ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95 病棟での困りごとがこれで解決!』(編著)菅井亜由美/2013年4月刊行

 

ストーマ術後ケア まるっとわかるQ&A95 病棟での困りごとがこれで解決!

 

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