直腸内坐薬を用いるのはなぜ?|直腸内与薬
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は直腸内坐薬に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
直腸内坐薬を用いるのはなぜ?
直腸内坐薬(ざやく)は、経口摂取ができない患者、意識レベルが低い患者、嘔吐発作のある患者、幼児などに対して、全身作用や局所作用をもたらすことを期待して用いられます。
主に、解熱、鎮痛、消炎、収斂(しゅうれん)、排便などを促すことを目的とします。
経口与薬に比べて消化酵素やpHの影響を受けにくいのが特徴で、直腸粘膜に直接作用させることで薬効を発現させます。急激に血圧下降が起きる場合があるので、全身状態の悪い患者は定期的に観察する必要があります。
ただし、下痢をしている患者や、痔核(ぢかく)があって粘膜の脱肛(だっこう)や静脈瘤からの出血がある患者には、痔疾患治療薬以外の直腸内坐薬は用いません。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版