注射を行うのはなぜ?|注射
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は注射に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
注射を行うのはなぜ?
与薬には、経口与薬、注射法、塗布塗擦法(とふとさつほう)、吸入法、直腸内与薬法などの種類があります。
注射法は速やかに、確実に、比較的高濃度の薬剤を血管や組織に注入できるという利点があります。これに対して、経口与薬では消化液の作用を受けたり、吸収・代謝においても影響を受けるために、効果が低くなったり投与量が増えたりする場合があります。
注射法を行うのは、効果が早く出現して吸収がよいという注射法のメリットが患者にとって必要と判断されたからです。経口摂取ができない患者にとっても、注射法は有効な治療法です。
memo看護師による注射
2002年に法解釈が変更され、医師の指示・監督のもとで、看護師よる静脈内注射が認められるようになりました。日本看護協会は、この法解釈の変更を受け、2003年に「静脈注射の実施に関する指針」を発表し、医師の指示により、看護師が行う注射の範囲は、皮内注射、皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射(点滴静脈内注射を含む)となりました。
ただし、この法解釈の厚生労働省通知は、同時に「静脈注射は身体への影響が大きい」として、医療機関および看護師等学校養成所に十分な研修と教育の見直しを求めています。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版