駆血帯を外してから針を抜くのはなぜ?|採血

 

『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。

 

今回は採血に関するQ&Aです。

 

大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授

 

駆血帯を外してから針を抜くのはなぜ?

注射器による採血の場合、駆血帯をした状態で針を抜くと、静脈が怒張しているために多量に出血してしまいます。

 

必要とされる量の採血が終わったら駆血帯を外し、握っていた指の力を抜いてもらい、静脈の怒張を解放してから針を静かに抜きましょう。この時、刺入部にアルコール綿を添え、針の角度を変えずにスムーズに抜きます。

 

真空採血管の場合は、まず採血管を抜き、握っていた指の力を抜いてもらってから駆血帯を外します。刺入部をアルコール綿で押さえながら、ホルダーの針を抜きます。採血管を装着した状態で駆血帯を外すと、逆流の危険性が高くなります。

 

刺入

刺入(しにゅう)する前に、刺入部位から5cm末梢側の皮膚を引き下げます。こうすると皮膚が伸展し、血管が固定されて刺入部位がよく見え、刺入しやすくなります。

 

 

針のカット面を上に向け、約15〜20度の角度で血管に刺入します。血液が逆流してきたら、血管の走行に沿って2〜3mm針を押し進めます

 

memo針の処分

採血終了後は、針刺し事故を防止するためにリキャップせず、針と注射器を接続したまま専用容器に速やかに廃棄します。リキャップをしないことで、針刺し事故は大幅に減ります。

 

1991年に「廃棄物の処理および清掃に関する法律(廃棄物処理法)」が改正され、医療関係機関では厳重な廃棄物の処理・管理を行うように定められました。注射器や針などの感染性廃棄物の処理・管理は、この法律に基づいて行わなければなりません。2012年には、具体的な手順を解説した「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」の改訂版が出されています。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版

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