採血部位として前腕を多く用いるのはなぜ?|採血
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は採血部位に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
採血部位として前腕を多く用いるのはなぜ?
採血に適した部位の条件は、簡単に露出することができること、比較的太い静脈が表面に出ていること、皮膚が柔らかくて刺しやすいことです。前腕の肘窩(ちゅうか)は、腕まくりをすれば露出することができ、皮膚のすぐ下の皮下組織中に皮静脈(ひじょうみゃく)が走行しているため、こうした条件にぴったり当てはまります。
また、深在性(しんざいせい)の静脈のように動脈と並走していないので、動脈に穿刺するといったミスをすることなく安全に採血することができます。皮膚から透けて見えることも、採血の部位として選ばれる理由の1つです。
前腕の屈側部には、橈側皮静脈(とうそくひじょうみゃく)、尺側正中皮静脈(しゃくそくせいちゅうひじょうみゃく)、尺側皮静脈(しゃくそくひじょうみゃく)が走行していますが、一般に最も採血しやすいのは尺側正中皮静脈です。
※編集部注※
当記事は、2020年7月17日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版