採血の前に、患者のフルネームを確認するのはなぜ?|採血
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は採血前に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
採血の前に、患者のフルネームを確認するのはなぜ?
患者の取り違えミスを防ぐためです。採血を行う患者を取り違えると、検査結果による疾患の診断や症状の判定に悪影響を与え、重大事につながりかねません。
患者の名前と採血管のネームが一致しているか確認する時は、患者に自分の名前をフルネームで名乗ってもらうことが大切です。看護師が患者の名前を呼んでしまうと、自分でなくても瞬間的に返事をしてしまう場合もあるからです。
最近では患者の在院期間が短くなる傾向があるため、入院患者の名前と顔が一致しないケースが多くなっています。症状が似ていることで患者を取り違えたり、部屋やベッドの位置を思い違えることによっても取り違えは起きます。
「確認のために、フルネームでお名前を言っていただけますか」と患者にお願いし、指示書に書いてある名前を見せて、「間違いありませんね」というくらいの慎重さが求められます。
memo採血量
血液検査のための採血量は必要最小限にするのが基本です。各血液検査には最低必要量が決まっていますので、行う検査に応じて採血量を決定します。必要採血量が多い場合は、緊急度の高い検査を優先します。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版