朝食前に採血することが多いのはなぜ?|採血
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は採血を行うタイミングに関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
朝食前に採血することが多いのはなぜ?
血液中の物質のなかには、食事の影響を受けて変動するものがありますので、なるべく食事の影響を受けない空腹時、多くは朝食前に行います。朝食前に採血することで、食事の影響を受けずに病的変動のみをとらえることができます。
空腹時のなかでも特に朝食前を選ぶのは、人体の基礎代謝が最も安定しているのが早朝だからです。
食事に影響を受けやすい物質は、血糖、インスリン、無機リン、中性脂肪、遊離(ゆうり)脂肪酸などです。影響を受ける度合いは一律でなく、血糖やインスリン、無機リンは食後3時間で空腹時と同一になりますが、中性脂肪や遊離脂肪酸は10~12時間経っても食事の影響が残ります。どうしても食後に採血せざるをえない場合は、少なくとも食後2~4時間経ってから行いましょう。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版