注射器以外に、真空採血管を使う場合があるのはなぜ?|採血
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は真空採血管を用いた採血に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
注射器以外に、真空採血管を使う場合があるのはなぜ?
従来は、採血には注射器が用いられてきました。しかし、近年では高齢者、乳幼児、小児、肥満者などの血管が細い患者を除き、真空採血管を用います。真空採血管を用いると、採血後に試験管に血液を移す必要がなく、採血管を差し替えるだけで必要な血液量を維持できるなど、手間がかからないうえに感染のリスクも少なくなり、患者への負担も軽くなるからです。
しかし、真空採血管が室温に戻らないうちに採血をしたり、真空採血管が抜かれないまま駆血帯を外したりすると、真空採血管内あるいは静脈内の圧力の変化によって血液が体内に逆流することも起こりえますので、注意が必要です。
また、患者の腕を下向き(肘より手首のほうが低くなる位置どり=アームダウン)にすると、逆流発生を防止する効果が期待できます。これは、採血管内の穿刺針と採血管の位置関係により、穿刺針が採血した血液に接触しないためです。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版