ベンゾジアゼピンはせん妄を誘発する場合が多いけれど、リスクが高いのはどんな人?
『術前・術後ケアのこれって正しい?Q&A100』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は「ベンゾジアゼピンとせん妄の関係性」に関するQ&Aです。
引地克仁
大阪市立総合医療センター精神神経科副部長
編著 西口幸雄
大阪市立十三市民病院病院長
ベンゾジアゼピンはせん妄を誘発する場合が多いけれど、リスクが高いのはどんな人?
ベンゾジアゼピン系薬剤は、せん妄の原因の1つです。
直接因子、誘発因子、準備因子を背景にもつ患者はリスクが高いといえます。
〈目次〉
せん妄をきたす薬剤
せん妄の原因としては薬剤によるものが最も多く(表1)、その薬剤のなかでもオピオイドと並んで最も多いのが、ベンゾジアゼピン系薬剤です。睡眠薬、抗不安薬としてよく使用されていますが、せん妄の原因の1つとなっています。
せん妄はさまざまな因子が絡み合い出現する
せん妄はさまざまな因子が影響し、出現します。せん妄の主たる症状は意識障害で、身体状況の悪化や投与した薬剤などにより出現する精神症状です。そのため、必ず、身体要因や薬物などの原因が背景に存在します。
せん妄はさまざまな因子が絡み合って出現し、その因子は直接因子、誘発因子、準備因子の3つの因子に大別されます(表2)。その因子を多く背景にもつ患者がせん妄のリスクが高いといえます。
本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。
[出典] 『術前・術後ケアのこれって正しい?Q&A100』 (編著)西口幸雄/2014年5月刊行/ 株式会社照林社