「PEGカテーテル交換」に関するギモン|PEGケアQ&A
『病院から在宅までPEG(胃瘻)ケアの最新技術』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は「カテーテル交換」に関するギモンについて説明します。
倉 敏郎
町立長沼病院院長
岡田晋吾
北美原クリニック理事長
〈目次〉
PEGカテーテル交換の当日、何時間前から絶食すればいいですか?
原則として絶食は不要ですが、2時間前には栄養剤投与を終えておきましょう。
原則として、栄養剤の注入を止める必要はありません。ただ、あまり多くの栄養剤が胃内に残っていると、カテーテル抜去後にあふれ出てくることがあります。
また、スカイブルー法で交換後の確認を行う場合、薄まってしまって、はっきりしないこともあります。
そのため、栄養剤は2時間前に終了しておいてもらったほうが交換しやすいです。
(倉敏郎/岡田晋吾)
PEGカテーテル交換の手技料が取れると聞いたのですが…?
診療報酬200点を算定できます。ただし、算定には条件があります。
平成20年度の診療報酬改定で、はじめてPEGカテーテル交換の手技料(200点)を算定できるようになりました。これは画期的なことです。
交換時には腹腔内誤挿入などのリスクがあるのに、今まではその手技に対してなんら評価されていなかったのですから、大きな進歩です。ただ、算定するためには、表1に示す条件を満たす必要があります。
診療報酬算定には「交換後の画像による確認」が必要
「画像診断等」には、単純撮影・内視鏡などが該当します。この条件を満たすには、X線撮影や内視鏡検査のできる病院で交換を行わなければいけません。介護施設や在宅で交換する場合、なかなか算定しにくい条件です。
しかし、寝たきりの患者にとって、PEGカテーテル交換のために病院に行くことは、経済的・身体的に大きな負担がかかります。
そのため、北美原クリニックでは、在宅で簡単に内視鏡検査のできる電池式のポータブル胃カメラを交換後の確認に使っています。
最近では、病院でも、外来での交換後の確認に使われているようです。
(岡田晋吾)
本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。/著作権所有(C)2010照林社
[出典] 『PEG(胃瘻)ケアの最新技術』 (監修)岡田晋吾/2010年2月刊行/ 照林社